おわりに



あっという間に終わってしまった10日間の旅でした。
ツアータイトルは カニグー修道院とピレネー、アキテーヌ・ロマネスク です。
カニグーのサン・マルタン修道院はロマネスク建築に惹かれた人なら誰しも行きたくなる修道院で、ツアータイトルにも使われるほどなのですが、どうやらロマネスク趣味というのはマイナーらしくて、なかなかツアーが成立しにくいのです。今回もこの会社で成立したのは四年ぶり、ということで「待ってました」とこれまでこの会社でロマネスクツアーに参加したことのある方々が大集合。募集定員一杯の20人が集まりました。
お天気に恵まれ、暑からず寒からず、スペシャルランチもあっていい旅でした


懐かしい再会もありました。初めてお会いする方もロマネスクファンということで、すぐ話があって、お食事の時間も楽しいものでした。
ただ、あまりにも趣味が同じせいか一つひとつの彫刻をみなさんじっくりみて、写真を撮られるので、写真をとる順番がなかなか回ってこないのです。仕方がないので人が入ったまま撮ってしまうこともありました。
時間もオーバー気味だったようですが、みなさんのパワーに負けてか「あのお、お時間が」と声をかけられる添乗員さんの声も力がありません。かわいいお嬢さんでしたのに、ちょっと申し訳なかったです。こちらはオバサンの厚かましさで平気で写真撮りまくりでした。 
参加者20人は普通ツアーとしては まあまあの人数ですが、今回のツアーでは ちょっと多すぎだ思いました。

トゥールーズから入って地中海側から大西洋側へ、ピレネー山脈に沿って旅をしたわけですが、この旅で現地ガイドさんから何度となく聞かされた「ピレネー山脈は国境ではなかった」という言葉が印象的でした。よくピレネーを越えるとそこはもうヨーロッパではない、と言われます。地形的には緑の多いフランス、赤茶けた大地のスペインと二つの国は異なっています。 
しかし考えてみると、ペルピニャンは12世紀から1659年(ピレネー条約)までスペインのバルセロナ伯領であったりアラゴン王国であったりしたのです。また大西洋側のナバラ王国もスペインとフランスの両方にまたがる国でした。どちらもアラゴンの支配下に入るのですが。
そのせいか、旅行中フランスではなくスペインにいるような錯覚を何度も持ちました。サンチャゴ巡礼路教会を多く訪ねたせいかもしれません。
 
ロマネスク教会は数が多く究めきれるものではありませんが、私の中では、そろそろ一区切りかな、という気もしないではありません。
12,3世紀の南西フランスではカタリ派が広く信仰されていました。その遺跡、ゆかりのある町に行けなかったのは残念でした。見残しのロマネスクとあわせて、いつかカタリ派ゆかりの城跡や町を訪れる機会に恵まれるといいな、なんて考えたりもしております。

    
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読んだ本
ロマネスク関連はこれまでのロマネスク旅と重複するものがほとんどです。
世界美術大全集 ロマネスク編(小学館)、 
柳宗玄著作選(八坂書房)それに エミール・マールのものも。

フランスに特化したものとしては 
『フランスのロマネスク教会』(鹿島出版会)
カラー版 『フランス・ロマネスクへの旅』(中公新書)
ヨーロッパ古寺巡礼(新潮社)饗庭孝男著、これはフランス中心です。 氏の『フランス四季歴』も読み返しました。
しかし何分にもマイナーな地域、教会関連についてもおなじみ『地球の歩き方』はあまり役に立たず むしろネット検索で直接各教会のHPに入ると、とてもよくわかりましたし、この地を旅された方の旅行記も非常に参考になりました。

関連読み物
カニグー修道院というのはその立地からひきつけるところがあるからでしょうか、小説にもとりあげられています
『ヒストリアン』エリザベス・コストヴァ著 NHK出版
『吟遊詩人マルカブリュの恋』ジェイムズ・カウアン著 草思社 
ランドが舞台の
『テレーズ・デスケルー』フランソワーズ・モーリャック 

(思いついたらまた 追加するかもしれません)

      
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買ったもの
(リストアップはしていったのに買い物の時間は殆どありませんでした)最後のビアリッツからボルドーへの途中のサービスステーションでお菓子類をどっさり買い込みました。キャンデーなどは 南西フランス特有ではないものもあります。 

   
 トゥールーズ スミレキャンディと石鹸 アンチョビ(コリウール) 大きくて骨っぽくてダメ
   
 天使のキーホルダー  キュクサ修道院で 柱頭などに使われている
赤い斑入り大理石で作られた卵
   
ルルドで 左は 聖水入れ 
   
五箱ともボルドーへ向かう途中のサービスステーションで 箱が気にいって買ってしまった (9×12.5㎝)
   
   
   
   
   
Biarritz近くのエスペレット村は ピメントの産地で ピメントいり塩、マスタード などいろいろ、 スーパーで買った
   
   
   
ビアリッツは ブラックチェリーの産地  
   
   
   
パリの空港で  フォワグラは絶品だった 

2014年12月31日 完