おわりに



南イタリア、長年の夢だったカステル・デル・モンテとサンタンジェロ・イン・フォルミスに行くことができて、やっと宿題を終えたような気分です。

ヨーロッパはどこでもそうですが、古代から中世(近世もそうですが)にかけて次々と色々な民族がやってきて、支配権をめぐって抗争を繰り広げます。

教皇とて、教皇領の領主ですから、教会権力をふりかざして争いに加わります。

99年にシチリア・南イタリアのツアーに参加したのは 「ヨーロッパキリスト教史」 のカルチャー講座でノルマン人のシチリア・南イタリア王国や「シチリアの晩禱事件」のことを習ったことがきっかけでした。

カルチャー講座でロマネスクの講座に出たり、その後に出版された歴史関係書、それに南イタリアを舞台にした小説も翻訳、出版されて読み、さらに南イタリアに強い関心を持ちました。まさに機は熟したり、というときにツアーが成立してくれました。

南イタリアの中世、大河ドラマのネタがいっぱいの面白さですが、本題のロマネスク教会も充実。 

敵を逃れて山の中、あるいは航海の無事を祈ってか アドリア海沿いの港町には各駅停車でプーリア・ロマネスクの素晴らしい教会があります。残念ながら限られて日数ではとても全てをまわりきることなどできないのですが、主なところは行くことが出来ました。

北イタリアロマネスクだけではなくビザンチンの影響も見られ、美しい壁画もみることができました。あらためてイタリアという国の文化の層の厚さ、歴史の重みを実感、実に充実した内容の旅でした。 

★南イタリアのロマネスク教会について気が付いたのは 

教会の形として ラテン十字というより むしろT字型
回廊のように柱が細いところの柱頭の形に、逆三角形が多い(これを 松葉杖型と説明してあるものがありました)
動物彫刻で、象が多くもちいられている。
壁面、特に窓の周りなどに突き出るような形で(ガーゴイルのように)動物彫刻が施されている。
壁面のブラインドアーチ(ロンバルディア帯)などの彫りが浅い     など   


★読んだ本

ガイドブックおよびロマネスク案内

:イタリア旅行協会公式ガイド 5ナポリ シチリア編 NTT 出版 (97年刊行) 絶版

*イタリア古寺巡礼 シチリア →ナポリ  金沢百枝、小澤実 トンボの本 新潮社

*イタリアロマネスクへの旅 池田健二著 中公新書

* 柳宗玄著作選 5冊あるがそれのところどころ  八坂書房

* 小学館 美術全集 ロマネスク

歴史関係

   『ノルマン騎士の地中海興亡史』 山辺規子 著 白水社 

   『皇帝フリードリッヒ2世の生涯』 塩野七生 著 新潮社    

   『シチリアの晩禱』 スティーブン ・ランシマン樗 太陽出版

この三冊は南イタリアの中世を知るには恰好の書だと思っています。ぜひ三冊セットで! 

(余計なことですが拙ブログ 緑の風 14322日 に書きました)

小説 

   『マグナ・グラエキア  ギリシャ的南部イタリア遍歴』  G.R.ホッケ著  平凡社

   「風の丘」 カルミネ・アバーテ著  新潮社クレストブックス

   『ふたつの海のあいだで』 カルミネ・アバーテ著 新潮社クレストブックス

 

買ってきたもの 

各教会で小冊子や写真集を買った以外は殆ど食料品
写真撮らなかったのか写真がありません。そうしてもう殆ど消えました。
ドライトマト、ドライポルチーニ、チョコレート スッラ蜂蜜 レモンチェッロ パスタ トリフ入り蜂蜜 レモン風味飴
買ってよかったものに、 オレンジ風味のオリーブオイル、シラスのオリーブオイル漬け
食料以外には マフラー、木組みジグソーパズルのマリア様