まず最初にお断りしておきますが、本ホームページ作成には、何冊かの本を読み、ネットで教会のホームぺージ等にあたり、また現地での説明のメモ等( 添乗員の大上さんの旅日記が非常に役に立った)をもとにしましたが、年代や解釈等、が一致していない、という事態に何か所でも遭遇、その旨記したところもありますが、いくつかの情報からこれだろう、と勝手に解釈して一つにしてしまったところがあります。年代が少しずれいても支障ないし、もともと解釈は何通りもあるから、というのがその理由。ホームページのアドレスや参考図書等をあげておいたので、厳密にお知りになりたい方はそちらにあたってください。
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ロマネスク教会というと、古色蒼然、というとイメージだが、今回訪ねた教会は多くが内外とも真っ白に塗られていて、緑の野と青い空に映えて明るくクリーンな印象を受けた。メルヘンチックでもあった。
ただ実を言うと どれも白くて同じようで、特徴的であった円形教会以外は最早や名前と姿が一致していない。
どの教会も とてもきれいに維持されていて、最近になっても調度品(適切な言葉を知らない)が増えたり、新しくされている。教会が現役で大事にされている証拠とみた。
この宗教不在ではないかと思われる現代、それも社会福祉が整っていると言われる北欧で。不思議に思って十分の一税について質問もしてみた。(本文に記載)
帰って調べてみると、デンマークでは国教という制度がとられており、ルター派が国教となっていて、首長はマルグレーテ女王。80〜90%が教会員である。当然国家の援助もあるのであろう。
スウェーデンもかつては国教制度をとっていて、国教会(ルター派)は国の機関であったが、2000年からは公的機関でなくなり他の宗教と同格となっている、という。
国教会というのはイギリスだけかと思っていたが、、、。
現役であるので、年月を経て増改築がなされているのは仕方がないが洗礼盤等はしっかり保存されている。
また16世紀末頃には北欧は 新教(ルター派)となったため、聖人崇拝につながるからであろう、壁画は漆喰でおおわれてしまい近年の改修で発見された、というところが多かった。多くはビザンティンスタイルである。
気になったこととして
イコン (ビザンティン聖画) と 七枝燭台が飾られている教会が多かったこと。
七枝燭台については書いたが、生命樹としての意味がある等とされている。しかし私はユダヤ教のメノーラを思ってしまってなかなか違和感がぬぐえなかった。また ビザンティン・イコンが飾られているのも、ルター派の教会としてどうなのだろう、と考えてしまった。新教は偶像崇拝を排するのではなかったか。壁画は信条とは関係なく文化遺産として大事にされるのは理解できるが。
そもそもノブゴロド、キエフの建国に力があったのはスウェーデン出身のルーシであったと言われていることを考えると、ビザンティン・イコンに親近性を持つのであろうか、とも考えてみた。
しかし現地では聞かなかったが、ルンド大聖堂のホーム・ぺージを開き、キリスト教の全ての宗派の人に対する礼拝日を設けている、ことがしるされているのを見た時、エキュメニズムが進んでいるからではないか、ということに思い至った。キリスト教会のみならず、ユダヤ教、仏教、イスラム教などとも手をつなごうと先々代の教皇ヨハネ・パウロ二世は努力していたし、現教皇もそうである。イコンや七枝燭台に違和感を持つ方がおかしいのであろう。ただこういったものは、イタリアやフランス、スペインのロマネスク教会の旅では見た記憶はないのである。
カソリックとルター派ではエキュメニカル運動に対するスタンスが違うのであろうか。
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スウェーデンはキリスト教化が遅かったせいかロマネスクといっても後期で、彫刻等ゴシック的なものが多かったが洗礼盤の 彫刻の豊かさには目をみはらせるものがあった。
彫刻家(石工集団)の特徴を思い出すために総まとめ
ヘグヴァルト(1090−1130) |
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ヴァーニャ教会 |
スタンガ教会 |
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ビザンティオス Bizantios 12世紀 |
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ガルデ教会 |
アルスコ教会 |
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シグラフSigraf (1175〜1210) |
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ブロ教会 |
オー教会 |
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マジェスタティス Majestatis 12世紀後半 |
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ハブリンボ―教会北扉口 |
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ヴァーレベルガ教会 12世紀後半 |
リュールップ教会 |
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カルカリウス Calcarius 1200年代 |
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フォーレ教会 |
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石工不詳だが 特徴的なので載せておく イギリスの影響をうけている 12世紀後半 |
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バーリンボー教会 |
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参考書
バルト海を旅する40章 小柏葉子著 明石書店
バルト海に浮かぶ島のうち大きな七島(一か所は群島)についての 歴史、地理、旅行記
ゴットランド島に触れた中で現在、教会が 「文化財」や 「観光資源」でなく地域の人々のよりどころとなっていることも記されていた。
北欧史 山川出版社
北欧神話 H・Rエリス・ デイヴィッドソン著 青土社
物語 北欧の歴史
柳宗玄著作選 3、5 八坂書房
ゴトランドの絵画石碑 エーリック・ニーレン、 ヤーン・ペーデル・ラム著 彩流社
現地で購入した
DIE KIRCHEN GOTLANDS
Gotland’s Picture Stones
デンマーク国立博物館図録、古代と キリスト教美術の二冊
各教会のパンフレット
添乗員 大上さんの旅日記にはとても助けられました。大感謝です。
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買ったもの
クリンクリンの羊毛座布団
ロイヤルコペンハーゲンの カップ&ソーサー2組、 皿六枚(模様違い(径22cm) 本当はもう少し 小さいパン皿を買いたかったが 適当のものがなかったので、この大きさにしたが、朝食の際、一皿にのせられて重宝して日替わりで毎日使っているいる。
木製バターナイフ、手作り石鹸、 その他 はちみつ、菓子類など
2018年3月4日 完
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