おわりに


おわりに

パッケージツアー利用の旅となると、なかなか今行きたい、というツアーには行けないものである。
今回も、第一希望、第二希望と、つぶれ、ようやくたどり着いたのがこのプロヴァンス・ロマネスクツアー。いつかは行きたいと思っていたプロヴァンスの三姉妹を見る旅。予想していなかったサント・ボームの洞窟にまで行く事が出来て、中世ヨーロッパキリスト教世界に関心を持つ者としては大当たりのコースであった。

この旅行会社を利用するのは初めてなので少し不安もあった。また六月の旅行というのも初めて。時期のせいか、全員六十〜七十代。皆様旅なれたおだやかで知的な方々で、初参加でも和やかな気分で観光することができてとても感謝している。
一人歩きしたさいの土地の人々の親切もうれしかった。

ともかく大好きなロマネスク建築、買ってきた本が英語、フランス語で、読む(というか、何となくこういうことらしい、と判断する)のに大変苦労したが、辞書を引き引きでも読もうという気をおこさせるほど、どれも素敵で興味を引く建物だった。
三姉妹で、印象に強く残っているのは セナンクは外観、 ル・トロネは回廊、シルヴァカーヌは教会堂。
興味深かったのは、 ノートル・ダム・ド・ナザレット教会や、ガナゴビー修道院教会のロマネスク以前の彫刻。
よくヨーロッパは石の文化なので歴史の重層性がよく分かる、と言われるがまさにその証左を毎日見せられているようだった。
これからケルト、ガロ・ロマン、古代末期、初期中世についてもう少し本を読みたいと思っている。

教会も良かったが、山がちの景色も素晴らしかったし、お食事がまた美味しかった。特にお野菜、山羊のチーズ。
メニューのいくつかははや我が家の定番になり、家族の好評を得ている。
 
 関連リンク 《オリーヴ》 連載 サンティアゴ巡礼紀行 このツアーに 参加されたY氏の サンチャゴ巡礼記、 スペインだが ロマネスク教会好きには羨ましい旅行記

 読んだ本
 ガイドブック
 * 地球の歩き方 プロヴァンス
 * ミシュラン・グリーンガイド これは絶版なので、図書館で借りて、行く場所の部分をコピーした。
    特にサンジルやサントロフィームなどの図像の特定に役立った


 *『プロヴァンス』 碧い海と碧い空と 田辺保 恒星出版

この著者のほかの本と違ってあまり宗教色はなく、この地を舞台にした小説や映画のはなしが多く書かれていて、楽しい読み物だが、扱っている範囲が今回の旅行とぴったり重なっていて、でガイドブックとしても役に立つ。映画『愛と宿命の泉』や、『マルセルの夏』 などのことも出てきて、ビデオテープの山から掘り出して、もう一度みようか、という気にもさせられた。


 キリスト教関係
 *『中世の修道制』 上智大学中世思想研究所編
    修道制の起源からイエズス会までとりあげられているが、特にカルトジオ会のところを参考にした。

 *『ヨーロッパ中世の修道院文化』 杉崎泰一郎  NHKカルチャーアワーのテキスト
  修道院について、とても詳しく書かれているが、だからといって堅苦しくはない。 映画『薔薇の名前』 を適宜引きながら、 修道院の歴史や仕組み、 色々な修道会について、説明されている。ラジオ講座のテキストという関係もあるのか、26回分、26章に分かれてそれぞれ独立しているので気軽に手に取りやすい。

 *『修道院の生活』 『僧院の生活』 すみません、タイトル間違っていました。    西村書店
  ヴィルヌーブレザヴィニョン のシャルトルーズ修道院の生活を描いた絵本、絵も楽しいし、修道士の生活や内部の構造もよく分かる。

 *『粗い石』 ル・トロネ修道院工事監督の日記 フェルナン・プイヨン 形文社
  少しでも宗教的関心を持ってル・トロネ修道院を訪ねようという人にとって必読の書と思っている。 
かなり宗教的なところもあり、行く前は抜かして読んだ部分もあったが、帰って読み直すと、宗教的だと敬遠したところも素直に心に入ってきた。
これは一般の書店では殆ど扱ってなく、出版社に直接電話で注文するようになっている。別に宣伝をたのまれているわけではないが 電話番号を書いておきます。
   TEL 042-531-6813 私が購入したときは3000円+消費税 でした。

 :*『フランス歴史の旅』 田辺保  朝日選書
 特に、 今回は サン・マキシマン・ラ・サント・ボーム と サント・マリー・ド・ラ・メール についての章

  
 美術関係
 *『ロマネスクの図像学』 上・下 エミール・マール 国書刊行会

 *『ロマネスクの美術』 馬杉宗夫 八坂書房
  今回は、特にサン・ジルやサントロフィーム教会建築や彫刻について参考にした。

* 柳宗玄著作選 1 西洋の誕生
            5 ロマネスク彫刻の形態学   八坂書房
   写真が多く、大きいので彫刻などはっきり分かる。
  柳宗玄氏の『秘境のキリスト教美術』 岩波新書 でも 南フランスの教会における彫刻について述べられている箇所(古代復興時代と言われるカロリング朝で,彫刻は抽象主義、人間像否定であった)がある。
 
 *『ヨーロッパ古寺巡礼』 饗庭孝男 新潮社 
   この著者のロマネスクに関する本はたくさんある。山川出版から 『フランス・ロマネスク』など。(添乗員はこれをバスの中で紹介していた) 日本でロマネスクを一般の人に紹介した人として、草分け的存在かもしれない、などとツアーのお食事のときにも話題になった。私も大いに影響を受けた。
   『フランス四季暦』 春から夏へ 東京書籍 
    この本のひとつの章に、プロヴァンス地方の光 というのがあり、モンマジュールやサン・ソブールがとりあげられている。短い一章だが、プロヴァンスを憧れる気持ちが強くかきたてられる。

 *『名画への旅』 9 北方に花開く NHK日曜美術館 講談社
    特に今回は アンゲラン・カルトンの聖母戴冠 に関して参考にした というか、この本を読んだからこそ、ヴィルヌーブ・レザヴィニョンへ行きたいと思うようになったのだ。

歴史
 * 『ケルト文明とローマ帝国』ガリア戦記の舞台 創元社 知の発見双書

買い物あれこれ

ワイン、シャトー・ヌフ・ド・パップ トリュフ風味オリーブオイル オリーブオイル

お塩 ゲランド カマルグ

ハーブ挽き にんにくおろし

お菓子 ラベンダーの匂い袋

タプナード ペンダントトップ 鳩

オリーブの木で出来たお皿、 サラダサーバー、 孫の手 ペンダントトップ 蝉

チーズ カリソン

トランプ

主にル・トロネ修道院の『中世音楽の集い』
における演奏をあつめたもの

湯呑み(しかし、取っ手がないのは不便)

湯呑み

マグネット ソレイヤードのポーチ

ミルクピッチャー

このように花瓶にしている