カンポ広場へ
新大聖堂の南側扉口となるハウだったところから出て どこをどういったのか 細いみちをくねくね行く。
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カンポ広場 お天気がはっきりしないのが残念 |
レストランの準備ができるまでカンポ広場(1347年に造られた、というがこれはペスト大流行の始まる年ではなかったか)でフリータイム
ガイアの泉(上写真では写っていないが左にある)を見る。 ローマで言うとトレビの泉かな、と思うが あそこのように人だかりはしていなかった。ヤコボ・デッラ・クエルチャ作(1419年)だが 現在のものはコピー、オリジナルは市立美術館の中に置かれているそうだ。
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ガイアの泉 |
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昼食後は半日フリーなのだが私はシエナから35キロくらい西のサン・ガルガーノ修道院廃墟に行きたいとおもっていた。でも廃墟でこの季節、お天気が悪くて誰もいないとどうだろう。そばの丘の上の教会にも行きのだが、一人では少し心配で行こうかどうか少し迷いもあった。ところがMさんKさん御夫妻も行らっしゃるということが分かった。4人でタクシーを予約なさったそうだ。前に分かっていれば 5人乗りの車を予約したのに、とおっしゃっていたが、私は一人でもいいから、と同じタクシー会社に予約していただいた。
昼食は 12時
軽食で サラダは各自、 ピザを何種類かとり、分け合うというスタイルだったが全種類をいただく時間はなかった。
タクシーは 13時予約だそうで、5分前にお食事は途中だったが失礼してタクシーの乗り場に向かった。一人で乗るのは心配でしょうから、とK氏が私と同じタクシーに。
M氏とK氏の御関係とかロマネスク教会や(シエナやサンタンティモの出てくる)とんぼの本のことなど話がはずんで、気がつくと、車は山の中に入っていっていた。山の中は黄葉が進んでいて明るく気持がいい。
40分あまりでサン・ガルガーノに着いた。
サン・ガルガーノ修道院 標高301m
http://www.sangalgano.org/ENG/abbeyofsangalgano.htm
サン・ガルガーノ(1148〜1181年) はこの近くの町の貴族の息子で騎士であったが、ある隠者の教えに心を動かされ、モンテ・シエピに庵をむすんで信仰生活をおくった。その時「剣はもういらない」と岩に突き刺したそうだ。その剣の刺さった岩が置かれている教会も近くにある。
サン・ガルガーノの死後ここは聖地として発展し、イタリアにおける最大級のシトーは修道院と教会が建設された(1224〜88年)。
壮大なゴシック式教会だったが、14世紀末にホークウッド傭兵隊長の軍隊に攻撃されて以来荒廃が始まり、1786年には屋根も落ちて完全に崩壊してしまっている。
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アプローチ 教会西側(下図i) |
教会南側(下図B) |
参道(?)を進み少し右寄りの入口で入場料(値段は失念)を払ってまず入るのはチャプタールーム、ここは天井もある。
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受付でいただいた案内図Gのところから入って入場料を払う |
まずチャプタールーム
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チャプタールーム ロマネスク風二連窓がいい |
庭には廻廊の名残、これはロマネスク様式 井戸もある。
そうして 教会堂にはいる。見事に天井が抜け落ちているが外壁はちゃんと残っているし身廊と側廊を分けるアーチ列もきれいに残っている。
見事だ。イギリスでいくつかゴシックの廃墟は見たが、このように完璧な形で残っているのを見るのは初めてだ。
西のほうにさがって後陣側を見る。すうーっとのびた身廊がいい。見たとたんに戦慄が走った。何か崇高さともいうべきものを感じて胸がいっぱいになる。私はロマネスク教会が好きだがゴシックのこのすうっと伸びた身廊も好き。多くのゴシック教会は町中にあり、その後も使われているせいか、ごちゃごちゃと内部が飾られていて興ざめなのだが、ここは廃墟なので、余計なものが一切ないのがいい。
ゴシックらしく 束ね柱が重厚。側廊のアーチ列も美しい。
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身廊 |
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左側廊 |
右側廊
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お天気が心配だったがちょうどよく晴れてきた。この季節に観光客はいないのではないか、と思っていたが20人くらいはいた。同行5人、それぞれ思い思いの場所で写真を撮ったりただ佇んだり、これがいい。団体でワサワサきておしゃべりしながら見るところではない。
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柱頭彫刻にはとくに面白いものはなかった 。 シトー派だから過剰な装飾があるはずはないのだが。 |
私はここへ来る少し前にみた『英国水彩画展』にあったイギリスの廃墟の修道院の絵を思い出していた。18世紀末に描かれたものだが、身廊には飼料の藁か あるいは泥がつもり、付近の人がたき火までしている光景だ。ここも打ち捨てられていた時期は同じような状態だったかもしれない。
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右壁に ニッチ、何に使われたのだろうか |
バラ窓も今では草が生えて |
今思い返してみると、今回の旅行で一番感動したのはここだったような気がする、それほど良かった。(団体で来てはダメ、多少お金はかかっても、個人でタクシーで来るべきところ)。ただ全く一人だと心細いものだが、4人の方がいらっしゃるので、その点も安心。御一緒できて有難かった。
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縞しまアーチのあるところがチャプターハウス。廃墟とは思えない美しさだ。 |
そのうち声をかけられて丘の上のモンテシエピのロトンダ教会へ行くことにする。教会の裏へまわる。
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東側 |
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教会北側から 丘のほうへ道がある |
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丘の上のあの建物をめざします |
野道を暫く歩くと登り。みなさん速いが私は坂道が苦手なので おくれがちになる。10分くらいのぼったであろうか。
続きは そのVに
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