4日目

そのV

シエナ滞在( サン・カルガーノ修道院、 シエナ市内美術館)


モンテシエピ礼拝堂 標高338m

円形の縞しまが特徴的なロマネスク教会

 
 

円形部分は1185年に献堂式。横の長方形部分は1340年頃建てられた。この部分にアンブロージョ・ロレンツエッティの壁画がある。

 
 

岩に着く刺さった剣もあった。フレスコ画は いい写真が撮れなかったが一応のせておく。

   
 天井  岩に突き刺さった剣
 
 
 
 
 
 どうやら ガルガーノが天使に剣の刺さった岩をさしだしているようだ

もう少しゆっくりしたかったが、1445分ごろ、タクシーに乗ってシエナに戻った。
帰りは一人、行きは運転手は遠慮して携帯(スマホ)をすぐ切ったが、帰りは女一人と軽くみたのか、切らないで恋人(?写真がみえている)とおしゃべり、運転に注意を払ってほしかった。私は明後日はアレッツォに行く予定だ。バスで行く手もあるがタクシーも考えていて今日の運転手が良ければ頼むつもりでいたが、この人は失格。やはりバスにしようと決める。
車は大聖堂の前につけてもらった。今日はこのあと国立美術館と大聖堂美術館を見る予定だ。大聖堂のほうが高い位置だろうと考えて先に行くことにしたのだ。 

大聖堂美術館
大聖堂の右手、フィレンツェへの対抗意識からより大きな新大聖堂を造ろうとしたのだが、頓挫した。その際、右側廊となるはずだったところを利用して開設されたのがこの美術館。

1階には 大聖堂の正面を飾っていた彫刻とステンドグラス。このステンドグラスの下絵は ドゥッチオ(画家として活躍したのは1,278年〜1318)が描いたもの。

 
 

 二階にあがると、大聖堂の祭壇を飾っていた ドゥッチオの マエスタ が正面に。

 
 

 左の壁には その祭壇画の裏に描かれていたキリストの受難の場面が展示されている。(小さいピース) 聖母子像もいくつか。 やはり ドゥッチオのが とてもきれい。

 
 ドゥッチオ聖母子 (1283年頃)

三階には『眼の大きな聖母』もあった。

 
 

こういうスタイルをニコポイア型という。ニコポイアとは勝利をもたらすもの、という意味でシエナについて最初に簡単に述べたときにふれた モンタペルティの戦い で勝利を祈願して祈ったのはこの絵に向かってだったという。
戦いに勝ったために シエナではマリア信仰が高まり、次々に聖母子の絵が描かれるようになったが、次第にマリア様は優しい感じになってくる。しかし宗教性が強くフィレンツェの人間的なのとは違う。そこが私の好きなところ。 

ここから通路を通って未完の遺構の上に出る。さほど階段を登らなくても大聖堂の位置自体が高いので見晴らしがいい。

 
 
 
 

1645分ごろ、ここを出て国立美術館に向かう。

そろそろ暗くなりかけている。5分くらいで着いた。

国立美術館 
Pinacoteca Nazionale di Siena Sito ufficiale della Pinacoteca Nazionale di Siena ここを開いてmuseo に行く。


museum Pinacoteca Nazionale di Siena 

ここは 入場料が4ユーロと安い。ところが、ロッカーに荷物を預けさせられ、身分証明書代わりにパスポートも預けさせられた。バッグはいいのかと思ったら 上でダメと言われてまた入口にまでもどってショルダーバッグもろっかーに納めた。、参考に持ってきたカルチャーセンターの講座のコピーだけは持って行けた。

エレベーターで三階に上がって古い順に見ていく。入館者は私だけ。係の人があちこちにいて、なんだかおかしな感じ。上に示したホームページで 代表的な絵がみられます。三階は P.Secondo その配置図の部屋ナンバーをクリック。三階には ドゥッチオ や シモーネ・マルティーニの作品。初期の シモーネ・マルティーニの作品は どてもドゥッチオに似ている。いったりきたりして見比べていると、 係の人が寄ってきて二人は同じスクールだったから、 と説明してくださった。

   
 ドゥッチオ 1280年頃  シモーネ・マルティーミ 1308〜10年

古い絵はビザンチンイコンのようだ。イタロ・ビザンティンというらしい。最初は眼が大きいが、すぐに眼が細くなる。聖母子が多いのだがあまりイエス様を見ていない。眼をそらして悲しそうな顔をしている。我が子がやがて十字架にかけられる運命にああることを思ってと、よく言われるが、神の子を抱くことが恐れ多くて直視できないともとれるのではなかろうか、などと考えながら見て歩いた。

下の階に進むに従って時代がくだる。16世紀くらいになるとあまり好みではないので省略して出ることにする。 

ここでお手洗いに行こうと思ったが、誰もいないし扉も重いしで、気持が悪いからやめにする。ホテルに戻ろう。今18時。予定では1920分ごろ カンポ広場で待ち合わせて夕食レストラン(今晩は夕食なしなので、希望者を添乗員が案内して下さることになっている) に行くために、このまま荷物を持ってカンポ広場のバールで待っているつもりだったのだが。今日は朝から歩いているので、もうくたくた。戻ってまたカンポ広場まで歩くのもいやなので、何かテイクアウトしてお部屋で食事をしようと、途中のお店に入る。 パンニーニに好みのものを挟んでもらえるお店が見えたので。 ところが入ったお店は隣のお店で サンドイッチはなかった。フルーツとお土産用に乾燥ポルチーニを買って出たところで、「今日は 生ポルチーニを食べに行きましょう」と言われていたことを思い出して、まだ生ポルチーニは食べたことがないので、テイクアウトのお店は探さないで、ホテルに戻った。 
スリッパに履き替えて
10分くらいすると、足もどうにか頑張ってくれそうなので、(まだ行こうか行くまいか迷いはあったのだ)19715分の集合時間にロビーに下りて行った。

お店はカンポ広場を下りて少し左の路地を入ったところ。osteria le logge

スタに生ポルチーニをスライスしたものをかけたもの(食感としてはマッシュルームのスライスみたい)つづいて つけあわせにポルチーニ 炒めた(多分)ものもでてきた。美味しくて満足。やはり面倒でも来てよかった。お値段は45ユーロ+グラスワイン10ユーロ。

   
   
   
 デザート  

帰りに、外からお店の厨房が見えるので何気なくみていると日本人が二人いた。

 
 左は入口  右はキッチン

向こうも気がついて窓をあけてニコニコ。こういう人がイタリアのどこそこで修行した、と宣伝してイタリアンレストランを開くのだろう。「頑張ってね」と声をかけてホテルに戻ったのが 2210分ごろ。充実した一日だった。