10日目 そのV

〜サンタガタ・ディ・ゴーテ〜ナポリ



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10 サンタガタ・ディ・ゴーティ 着

サンタガ・ディ・ゴーティ SantaAgata di Goti (標高159m

この町は サムニウウム族の町、サティクラの存在した場所。NTT出版のイタリア公式ガイドでは ゴーティは ゴート族を指す。553年東ゴート王国は滅亡したが、ゴート族は許されてこの町に残りコミュニティを作った。大聖堂の説明の時だったと思うが、この教会は彼らが造ったものとガイドのウイリアムさんは言っていた。

地名のゴーティについて ウイキペディァではゴート族ではなく、14世紀にこの地を支配したガスコーニュ人貴族 De Goth 家 に由来する、としている。

いずれにせよ、他の南イタリアの町の例にもれず、サムニウム族、ローマ人、東ゴート、ロンゴバルド、ベネヴェント侯国 ノルマンなど次々支配者が変わっている。

聖メンナ教会 前でバスをおりる。 
ここは鍵番と連絡がとれず、ガイドのウイリアムさんは一週間前から連絡をとりつづけ、実際に足を運ばれたそうだが、それでもだめ、昼食中も何度も電話。
そういうことでこの町では聖メンナ入場、大聖堂は下車観光(外観)となっていたところを、聖メンナ外観、大聖堂入場、と変更します、とのことで、とりあえず、入口を眺めていた。
ところがやっと連絡がついたのか、ひょっこり、という感じで鍵番さん(聖職者らしかった)登場、皆の大歓声に照れ笑い。

聖メンナ教会 Chiesa di S.Mennna 11世紀末の建築

もともとは 聖ペテロに捧げた教会だったが、聖メンナの聖遺物を奉献したことからこの名になった。入口付近外観は新しくて、一見ロマネスク?西側に真っ白なポーチ部分がつけられている(もともとこうだったのを再建したのかもしれないが)。

   
   歓声を持って迎えられて照れている鍵番さん

入口上部

 
 

内部、ここももうお決まり、古代遺跡からもってきた 円柱、柱頭、コリント式だけでなくイオニア式渦巻もあった。特に柱が様々、

床などに12世紀のモザイクが残る。 奥に内陣障壁がある。障壁は普通15世紀には取り外されるので、そのまま残っているのは珍しいそうだ。

   
   
 
 キリストと並ぶ聖メナ


床モザイクはエジプトのアーティストが造り、エジプトから持ってきた石もつかわれているそうだ。

エジプトでピンときた。イコンをどこかで見た覚えがある。 必死に探した。 
柳宗玄著作選2 に見つけ出した。(1時間あれこれ本をひっくり返した)
絶対この聖人由来の教会だと思う。
エジプトの修道院長 聖メナ285309年)

彼の葬られたアブ・メナの地は病気治癒に霊験あらたかと、巡礼者が押し寄せた。
しかし7世紀半ばにイスラム教徒によって破壊されたそうだ。
(そういうドサクサで聖遺物がここまできたのかな?) キリストと並ぶ聖メンナの姿。67世紀の絵

驚き、そうして分からなくなったのは、床モザイク。 これもオプス・セクティーレ(サンタドリアーノ教会の 蛇!)だという説明。 
一体オプス・セクティーレって何?(共通点はテッセラが三角形、しか思い浮かばないが、、、)

祭壇は聖メンナの石棺の蓋だそうだが、何の変哲もない大理石のように思えた。

少し残るフレスコ画は 14世紀 ↓これは聖カタリーナ。やはりここはエジプトに関係した教会か?

   
   

1435 ここを出て大聖堂へと向かう。

ネット検索するとどうやらこの町はイタリアの最も美しい街100のうちに入るらしいが、お天気の悪さ、それにオフシーズンかつシェスタの時間ということもあってか通りはひっそり、あまり気持ちをひきたてられるものはない。

細い道、途中少し開けたところにオレンジの木のある広場

   
   

10分ばかり歩いて大聖堂到着

   
   入口柱の根元 継ぎ足し方がすごい、利用しようとする努力に敬服

大聖堂 970年創建 12世紀再建 18世紀改修 ↑ 柱の基台に、柱頭が使われている。高さ調整のためとはいえ、古代遺跡のものは単に石材でしかなかったらしい。彫刻やモザイク、するところはするのに、こういうところに美意識は働かなかったのか。

ここは1530に開くところをウイリアムさんが1445に開くようあらかじめ交渉してくださってある。

14481513

18世紀の改修による身廊は ロマネスクファンにとっては関心がない。 

 
 
すぐに祭壇下のクリプタに降りる。 直径20pもない細い柱が 林立している。長方形の中ほど横に半円がついいたような形になっている。下左写真の右側がが半円アプシス風になっている。↓
   
   

ここも松葉杖形柱頭で 彫刻がとても面白かった。(明かりの加減で見にくいです)

 
 男女の セイレーン(多分)
 
 中央に騎士がいる

     
 喇叭を吹く小悪魔?    天使が子羊をだいているようだ
 
 
    
   

   
 水を飲む二羽の鳥  
   
   

壁画も2枚載せておいた。 Photoshopですこしはっきりさせたので実際はもう少し色が薄かった。

上にあがると 鍵番さんが(聖職者かもしれない)絨毯をめくりあげて、下のモザイクをみせてくださった。 絨毯を敷いておかないと、剥がして持って帰る人がいるそうだ。
聖歌隊席も手でさし示す。言葉は通じないがなんとか喜んでもらおうとしてくださっている気持ちが伝わってきて嬉しかった。Stoleの彫刻、ちょっと怖い。

   
   

また細い道をバスの停めてあるところまで戻る。途中、雑貨屋みたいなお店でお手洗い拝借。 チョコレートなぞ買った。

バスに乗る前 どなたかが、崖の景色を見たい、とおっしゃったのでそいで橋まで行く。スペインのクエンカやスイスのフリブールを思い出させる光景だった。

 
 

1550〜 1700バスでナポリに戻る。