まず西正面から。ガイドさん本当に熱心。聖書的なことがらについて丁寧に説明された。各扉口をくぎるように付けられているバットレスは15世紀のもの。 上の壁龕には コンスタンティヌス帝騎馬像があったが、現在は失われている。
三つのアーチがあるが、扉口として開いているのは中央ひとつだけ。ここにはタンパンはない。
内側から順に一番目の帯 神の子羊と左右にそれを支える天使、香炉を振る天使、祈る天使
(これをエミール・マールは香炉と竪琴を持つ黙示録の長老とみている、2番目も長老とみているが、これは羽があるので天使だと思われる)
二番目の帯 中央の王冠をはさんで左に、傲慢を踏む謙遜、色欲を踏む貞節、怒りを踏む忍耐、右に、ケチを踏む気前のよさ、異教を踏む信仰、不破を踏む調和
この美徳を現わす騎士が悪徳を踏みつけるという図は、モントワールの聖ジル聖堂でもみたが、他の地域・国では見たことがなかったような気がする。
エミール・マール『ロマネスクの図像学』(下)によると、プルデンティウスの詩『プシコマキア(魂の戦い)』からとられており、この主題の発見は西フランスの芸術家たちの功績に帰すべきものであろう。 とある。
徳が擬人化されていると思うのだが騎士が出てくる、というのは十字軍(第一回は1096年、第二回は1147年)の影響? 神の戦士で褒め讃えるべき、という考えがあった、とかさらに言えば騎士階級(つまり貴族)の寄進があったから?とかあれこれ想像してみた。
三番目の帯は 中央にキリスト 右に閉ざされた扉、愚かな乙女たち(ランプが下を向いている)左(キリストからすると右手に当たる)賢い乙女たち(ランプが上を向いている)
4番目の帯 ゾディアックと月々の仕事 中央は蟹、 かに座は 夏至を表し、基督の栄光を表す(饗庭孝男著『ヨーロッパ古寺巡礼』)そうだ。
この飾りarchの主題をエミール・マールは「最後の審判」の思想を想起させようとしたものとみる。
<神の子羊、は世の終わりを告げ災禍を解き放つあの「黙示録の子羊」 であり、それを 長老たちが証明する。賢い乙女と愚かな乙女のたとえ話は「最後の審判」 の寓意で、最後の日になされる善人と悪人の選別の予型である。もはや 戦いのない平和の支配する次元がある。それは 賢い乙女たちのランプの輝くところである。>
配られたパンフレットでは、テーマは「黙示録」ではなく、人類救済に直接関わる、「美徳と悪徳」
とあった。まあ、日々努めよ、というところか。
左のブラインドアーチのタンパンには「ペテロの磔刑」。の教会は聖ペテロに奉げられている。
分かりにくいが足元にも二人いて 計4人の磔刑執行人が彫られている。執行人と言えどもすらりとして優美だ。
右側は「キリストと聖パオロと聖ペテロ」人物を特定しないで、キリストと二人の男、としているものもある(小学館、 美術全集)
次に南扉口を観に行く。 明らかにに西正面の彫刻とは手が違う。
四層のアーチの彫刻のびっしり感がすごい。
事前にこの教会は 修復中、という知らせがあったが、この状態では修復済みと思われる。(助かったー)
一番内側は浅浮彫で 蔦に絡んだケンタウロスやグリフィン、2番目は12使徒と12人の預言者たち。3番目は手に楽器と瓶をもっているので 黙示録の長老たち。4番目は想像上の動物たち。2番目と3番目はアーチの下にアーチを支える人達がいる。
みて楽しいのは一番外側の想像上の動物たち。(フクロウは実際にいるけれど)
東側
後陣の窓の両側に、蔦に絡まる男たち
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下のフリーズは 上半身が人、下半身が蛇(メリジェーヌ?しかし、メリジェーヌは女性だが これは 男性のようだ) |
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これで見学おわり、少しバス移動して オーネーの町の中心部とおもわれるあたりのレストランへ レストランそばの広場
Bistoro Le Neuf で「寒かったので暖まりましょう」ということで ワインとコーヒーは会社のおごりだった。
メインはチョス 私は 七面鳥 煮込みすぎで味がぬけていた.
デザートもチョイスで 私はフルーツタルト
食後、駐車場まで少し町中を歩いた。市庁舎の前に 戦争記念碑、
14:40〜15:48 バス
道中も雨、 気温は14℃
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