2日目

そのU



 
説明を聞きながらあたりを見回していると、アトリウムの壁に彫刻の断片が展示されている。とても興味深いものだが説明プレートはない。

買ってきた教会の小さな説明書にも、いろいろな時代の、、とだけ。この教会のものだけではない、とも書いてあった。

 
 十字架を挟んで二羽の孔雀が向き合っているのは、ラヴェンナでみたような記憶があるが、 
尾の上にそれぞれ鳥がのっているのは 面白い。
 
 
   
 このあたりまでは初期中世、といった感じだが、 下のレリーフは大分後代のもののような気がする 
 
 拡大すると
 
 左は 教会を持っているが教会に鐘楼がある
 
 グリーンマン

ところで、アトリウムは 前庭と訳されるので、教会の外部入り口を入るとアトリウムを通って教会入り口に達するものと思いこんでいた。しかしここでは横から入っていった。 外部からの入り口に相当するところには洗礼堂がある。変な気がして「洗礼堂は後から造られたのか」と、質問したら「最初からだ」、という。
買ってきた小冊子から平面図をのせておく。
Iが聖堂、Jがアトリウム、Kが洗礼堂、Oが鐘楼。下部のPと書いてある左の通路から入った。(見たのは図の下半分)

 
 エウフラシスバジリカ平面図
もっとも、教会前に柱廊で囲まれた庭があるのだから、 外からまっすぐかどうかは関係ないかもしれない。

   アトリウムについて
*教会堂前面の中庭を柱廊で囲んだもの。
教会に入る前の清めの儀式を行ったり、行進礼拝の集合場所、礼拝に与れない未洗礼者の居所、埋葬場所として用いられたが、ロマネスクの時代にはあまり建てられなくなった、
                 
 『ロマネスクの聖堂』辻本敬子、ダーリング・益代著河出書房新社より
 
*アトリウムや ナルテックス (
教会入り口前の部分。上図だと、通路から入ってきた部分、 屋根がかって聖堂の手前のいわば玄関廊のようになっているものもある。EX,トウルニュー、 ヴェズレー) を設けて信徒以外の人たちが教会の中に入らないように規制していたのは、まだキリスト教が公認されて間もない時期でもあり、異教徒による迫害を警戒していたからであろう
 
                                  『西洋建築様式史』 美術出版社 より

個人的な思い出だが、アトリウムのある教会をローマやミラノでいくつか見た覚えがある。 ここでは、ミラノとサレルノの教会の写真を載せておく。 いずれも教会を囲む壁があり、外壁の入り口からはいるとアトリウム、そのまっすぐ奥に教会の入り口がある。
ミラノ、サンタンブロージオ教会(12,3世紀のものだが、 創建は4世紀末)

   
 ミラノ、サンタンブロージオ教会、外壁から、
アトリウム、奥に教会入り口
 アトリウムの奥に教会
 サレルノ大聖堂      (1080年建設に着手、ノルマン様式で ここには載せていないが鐘楼も素敵です)        
     
 外の入り口、ライオンが左右にいた
奥に右写真の教会正面
  残念ながらアトリウムを一目で見渡せる写真は撮っていない
(写真が下手で申し訳ないが、中世教会好きには絶対お薦め)


ポレチュの町の記述に戻る。教会を出て歩きながら町を小観光
   
   ロマネスクの家

バスにしばらく乗って昼食レストランへ

12時30分頃〜14時時ごろ レストラン リナ で

シーフードリゾット、 イカのグリル、サラダ添え アイスクリーム(美味しかった)

   
 リゾット  
   
 ホタルイカみたいに小さい烏賊  

飲み物として私は白ワイン10クーナ=200円)。ちなみにジュースは12クーナ。 

バスで プーラへ

15時ごろからプーラ観光

16時15分くらいまで円形競技場とその地下などで過ごした。(暑かった)  

この競技場は1世紀、アウグストゥス帝時代に造られたもので、世界第六位、クロアチアでは最大だそうだ。
下の写真では 壁になっているところが地上階。その上に二層のアーチとさらに四角い窓のある層を持つ 大変高い壁に囲まれている。
 

競技場は現在、劇場として使われていて、この日は子供たちが明日のために練習をしていた。 
大音量で楽器を鳴らすので、鼓膜が破れそうだった。

   
   
   
   命綱をつけて修復中

地下はちょっとした展示場、ということで期待したが、アンフォラ、オリーブ絞り機など以外、たいしたものはなかった。途中の壁に興味深い彫刻の写真があった。

   
 どれも写真  
 

ところがこれは見に行かないそうだ!!せっかくはるばる来たのだから、実物を見せてほしかった。
スクリーンに古代の競技場を再現したものを映してみせていた。

競技場を出てから少しだけ町を歩いた。
町の模型
 
 右奥に円形競技場、 左奥が古代都市の中心地

双子門とマウソレイオンの跡?(だったと思う、ちょっと自信がない)、ヘラクレス門を見たところで引き返した。

   
 双子門  
 
 ヘラクレス門、アーチの中央にヘラクレスの顔があるようだが、 磨滅していて判断しがたい

もう少し行けばもっと立派なセルギウス凱旋門、その先には、ジェイムズ・ジョイスの像のあるカフェ・ウリクスとか、アウグストゥス神殿もあるはずなのに。見られなくてとても残念だった
ここの観光予定は円形競技場しか予定されていないのでいるので、言う方が身勝手なのだが)

16時40分 プーラ出発

 
 向こうの山が イストリア半島 (18時頃)

18時30分ごろ リエカ ボナビアホテル到着

ホテルのすぐそばの通りが賑やかだ。そばの教会広場で司祭様がお説教をしていた。

 

ホテルのお部屋は広いし、バスルームも新しい。

   
   
19時30分から夕食

 お魚のスープ、鱸のソテー、ケーキ    メインの魚料理は写真を撮り忘れた。

     
     
   
   ケーキ アップルパイ風だが、 木の実、 レーズンなども入っていて美味しい
 今回の旅ではこの手のパイが多かったが、どこのも美味しかった 

ワインをボトルで取ろうということになって、飲む人4人プラス1人(Aさんの奥様はおつきあい程度)で同じテーブルに集まった。私は飲みたいといってもほんの少し喉をうるおす程度でいいのだが、赤白各一本とることになった。いけないとは思ったが、調子よく飲んでしまった、といってもグラス一杯ずつくらい。
お部屋に戻ってそのままベッドに倒れてしまった。

1時ごろ目が覚めてシャワーを浴びた。ぬるいな、と思ったが、そのうち熱くなると体を洗い始めたらどんどんぬるくなって、とうとう水になってしまった!よく夜中にボイラーを止めてしまうホテルが田舎にはあるが、ここもそうだったのだ。寒い季節だったら風邪をひいていたところだった。