3日目

8月4日     ダラム〜ウイットビー    

 

5時少し前に、眼がさめた。
教会の鐘が15分毎に鳴る。澄んだきれいな音色で、うるさくはない。
5時30分にはもう明るい。
7時30分頃  大聖堂まで、小一時間散歩する。

大聖堂内部を見るのはあとの楽しみとする。
この大聖堂は、イーリーの大聖堂と並ぶノルマン建築の双璧。98年にイギリスに行った時にイーリーは見たので、今度はダラムのも見たかったのだ。その間、映画 『エリザベス』 で、この教会が使われたので、なおのこと行きたくなった。
 * 998年、リンディスファーンの修道士が、聖カスバートの遺骸を安置するために、木造のホワイトチャーチを建てた。当時バイキングにより、イギリス沿岸は荒らされていたので、修道士たちは聖人の遺骸を守って、転々とし、この川中島のような、守りに固い場所を選んで聖人の安住の地とした。
 * 1071年 ノルマン人、ダラム城を築く
 * 1080年 ウイリアム王から、プリンスビショップの地位を与えられる。
         代々の司教は国王と堂等の権限を持った。貨幣の鋳造権、軍隊など。
 * 1093年 大聖堂をつくり始める。
 * 1133年 完成、イギリスで初めて石造の屋根に覆われた大聖堂。

 当時の大陸の教会と違って新しく、天井には次のゴシック時代に使われる、リブ・ヴォールト(肋骨穹りゅう)が、使われている。

この白い建物が泊まったホテル 大聖堂は川が蛇行して中州のようになった小高い丘の上にある

坂道を登って大聖堂へ

ホテルに戻って朝食
ブラックプディング、ソーセージ、 ベーコン、卵、 フライドマッシュルーム、フライドトマト、 トースト、オレンジジュース(フレッシュ)果物、コーヒー
食堂やサロンなどが、時代がかっていてステキなので写真を撮る。(ウエートレスに聞くと18世紀のものだと言う)

レストラン、正面の木彫りは18世紀のものだそうだ

サロン

9時50分  部屋に戻り、荷物をまとめてフロントに預け、チェックアウト。 夕食こみで 約74ポンド
     このホテルは冷房のことさえなければ、非常に良いホテルだった。 
大聖堂へ。 橋を渡り、坂道を登る。早朝と違い、かなり暑い。

ダラム大聖堂、正式名は、キリスト並びに
祝福されし処女マリア主教座聖堂

ノルマンらしい入口のアーチ、テンプル
チャーチ
によく似ている

ザ・サンクチュアリー・ノッカー

北の入り口から入る。扉にサンクチュアリノッカー (レプリカ)
横の説明には、[中世には、教会は逃亡者に避難所を提供していた。重罪を犯したものは誰でも、このドアをノックすることにより庇護を要求出来た。37日間の猶予があたえられ、裁判を受けるか、一番近い港から国を離れるか、どちらかを決定しなければいけなかった] とあった。
アーチには、ノルマンらしい山形模様の彫刻
入った途端、ああなつかしい、久しぶりに、いい教会を見た、という思いで、うれしくなった。この教会は残念なことにカメラ禁止
身廊、ひし形や、山形の、彫りこみのある、柱がこれほど太いものだったとは、矢張り実物は観るものだ。
周囲も高さも6.6メートル。それより更に太い組み柱が、ヴォ-ルトを支えている。

ひし形や、山形(シェブロン)螺旋模様(起源は、古代巨石信仰まで、さかのぼる)は地字母神 を称えるために、彫られた模様だそう。
* ガリラヤ礼拝堂 (1175年)  後期のルマン様式、細い柱と天井は身廊の柱と同様、イスラムの影響だという。尊者ベーダのお墓もある。12世紀の壁画(多分、聖カスバートと聖オズワルト)が薄くのこっていた。
真鋳製のペリカンの形をした聖書台、聖水盤 、一段低いところにある九祭壇礼拝堂などをみて回廊へ。
天井は、木製の格子状、格子点に、木製の薔薇の花や、紋章が飾られて一部は、彩色されている 
回廊から二階に行くと、モンクスドーミトリ 天井は木(14世紀)。 
ここは、博物館のようなっていて、各地の石碑、  クロスのシャフトなどが展示されている。
アイルランドでみたような、渦巻き模様、唐草模様等ケルト風なものが多く、興味がつきない。(アングロサクソンのストーンワークと、書かれていた。)
受け付けにいる、老修道士が面白い人で子供に、『修道士が、早起きして何度もお祈りしたり、一日  二回しか、食事しない』 などと話をして、『修道士になりたいか』と聞いていて、子供が激しく頭をふっているのが、おかしかっ  その後、地下の宝物室へ。
ノッカーの実物や聖カスバートのものといわれる、木製のコフィン(マルコ、マタイ、ルカ、ヨハネの線刻がほどこされている)や石のクロスなどがあった。
お昼になったので、教会内のレストランに行く。
セントマーチンインザフィールドより、明るくて気持ちがいい。
カプチーノと、パイ(4.45ポンド)ですませる。
教会のこういったカフェテリヤは、女一人で気軽に入れるので助かる。  (おいしいとは、思わないが)
教会前の芝生の向こうに、ダラム城
行ってみると、あと10分くらいでガイドツアーがあるが、一時間位かかりそうで、次の列車のことも気になりやめたが、結論としては、観ておくべきだった。

ダラム城

ウイアー川

フットブリッジから
大聖堂を見る

帰りは丘を直接ウイアー川の方に下りて、キングスゲイトフットブリッジを渡って、もどった。
川ではボート遊びをしている人もいた。
2時30分 ホテル着  駅までのタクシーを頼む。
3時  駅、予定より、一時間以上早い電車に乗る。
3時30分ダーリントン着。
 3時39発が、少しおくれて、45分発外国の駅は、表示が、出てないことがあり、不安。、
ミドルズバラ 4時15分。(冷房なし。)
 しかし、次の列車は、5時38分発。ダーラム城にいけばよかった。
 町を歩いてみたが、はいれるような喫茶店はない。皆テークアウトをベンチで食べている。
          
5時38分発 に乗る
 途中は、まさにデイル、あまり高くはない起伏が続いて、生まれたばかりの羊がたくさん草を はんでいた。
列車は、日がさして、焼けるが、風は涼しい。女の子が二人、きちがいみたいに走りまわったり歌ったりしてうるさかった。この子達の服装ときたら、上のタンクトップは胸をやっと覆う長さ、下のジーンズははきこみ浅くて、ビキニライン、おへそチラリどころか、胴体が全部見えている。このあとフランスに行ったがここまでの露出度のひどい格好の人はいなかった。それで、座席の上に立って、歌ったり踊ったりのおおはしゃぎ、家に帰って、娘にこの話をしたら、きっとヤクをやってるのよ、と言っていたが、そうかもしれない。
ウイットビー 7時10分着

ウイットビーの駅はとても寒かった。タクシーで、ホテルへ、
 シークリフホテル (ウェストクリフ、ノースプロムナード、つまり、海沿いの崖の上のプロムナードにある)
部屋は、レースのベッドカバーなどで可愛いけれど、狭い。八畳くらいか。
ダブルベッド、洗面台、椅子ニ脚でもう一杯。バスルームは、シャワーのみ。
 でも、海に面していて、右手には、桟橋がのびて、その先に、白い灯台。その向こうの丘には、アビーの廃墟も上の方だけだが見える。素晴らしい眺め、道路を隔ててすこし、緑地があってそこから、海に崖が落ち込んでいる。
ポロセーターに、コートを羽織っても寒いくらいなのに、水につかっている子供がいる。
食事は、バーで、予約をして、15分位待って、食堂に、入る。
まず、辛口の白のグラスワインを頼んで、 ギリシャ風サラダ(フェテチーズがはいっている。)を注文したが、 オリーヴが酸っぱくて、ワインと合わなかった。
これでもうおなかは一杯。でも、一皿というわけにもいかない。 
メインに、お魚を頼んだが、付け合せに、二皿も煮た野菜料理がついて、あまりにも残しすぎで、恥ずかしかった。

食後は外に出て、ノースプロムナードを散歩。