9日目

 そのV (チロル城 〜ラグンド〜 メラーノ)



1525分 バスをおりてリンゴ畑を通ってチロル城へ向かう。このお城の名前がチロルという地方名のもとだそうだ。(チロル伯というのがいた)このあたりは 第一次大戦までハプスブルグ家のものだった。普通チロルというとオーストリアの一地方、という認識だが南チロルはイタリア

坂道というほどではないが、結構遠くて今日は少し暑いのでちょっと疲れたが、もう駄目と思う前にお城到着。(16時頃)

チロル城 (標高647m)
 
 チロル城 このあたりは ドロミテ山塊の西端なので ガガたる岩山が見られる

お城は14世紀に火災にあってその後再築したがそれ以前のものも残っていて今は博物館になっている。
このお城で我々ロマネスクツアーの目指すのは礼拝堂。この扉口の彫刻がロマネスクなのだ。

まず階段を少し上がって玄関の間というかポーチ風になっているところのお城の扉口に行く。
ここも12世紀前半のロマネスク彫刻で飾られている。

   
 お城に入ったところ、 この右の階段をあがる  階段をあがるとポーチ

お城の扉口
タンパンに大天使ガブリエル(らしい)、その上のヴシュール(弧帯部分)に組紐の帯、その上はパルメット飾りその上は、中央に獅子の谷のダニエル(よく見るとライオンの背中に鳥がのっている)と幻想動物。 
獅子の谷のダニエルは神による救いの象徴
   
 お城のガイドさんが説明  
 
 一番上が 獅子の谷のダニエル
     
         鷲   ドラゴン
の左側、宮廷風の衣装を着けた夫婦、ライオン、雄羊。 右側にはライオンなど 
   
 入り口左側 宮廷風の衣装を着けた男女  入り口右側 権力の象徴としてのライオン

中に入ってちょっとした広間の横にチャペルの入り口の扉。ここにも1160年ごろの彫刻がある

 
 チャペル入り口

まず タンパンにはキリストの十字架降下 アリマタヤのヨセフが手から釘を抜き、ニコデモが降ろしているが何だか降ろしているというより抱きついているみたいだ。

  
  
番外側の帯には 真上に〈神の手〉左に〈二匹の猿、リンゴを食べている〉その下は〈悪魔が三叉で悪人を地獄に突き落としている、突き落とされているのはカインではないかと言われている〉
右上 組紐文の横に〈バシリスク(半分が雄鶏で半分が蛇で反キリストの象徴)が野ウサギを打っている。野ウサギは簡単に悪の象徴であるバジリスクの餌食になる、つまり弱きクリスチャン〉その下は〈孔雀〉
 
 バシリスクが野ウサギを打つ  ウサギが前足を踏ん張って耐えているようだ
 
 上 ダヴィデが ライオンに食われた羊を助けている  下 アダムとイヴ

扉の左手上〈ダヴィデがライオンにくわえられた小羊を助けている〉その下 〈アダムとイヴ〉
扉の右上〈悪の象徴としてのライオン〉〈黙示録の龍〉〈天の鷲が火を吹く龍を破る〉

左下 〈ケンタウロス、異端者の偽善の象徴とプシオロゴスはみている
   
 下は一本の角といくつかの(とここの解説には書いてある)頭を持つドラゴン
口と尻尾にある 顎で 二人の人間を食べている
 火を吐くドラゴンを 天の鷲がやっつけている
   
 ケンタウロス  左側柱の内側 出べその二股人魚
入り口の鴨居
 
 本を手にする二人の天使
ところで今回見た教会、礼拝堂のうち扉口のタンパンに彫刻が施されているのはここだけだった。 逆に何故ここには彫刻されているのか理由が知りたくなる。

礼拝堂に入る。彫刻は12世紀、フレスコ画は14世紀

アーチの上に神の子羊、四福音書記者のシンボルである 鷲、ライオン、牛、人
右上にはフレスコ画のペリカン(ペリカンは自分の胸をつついてその血で子供を養っている。人類のために犠牲となったキリストの象徴)

 
 チャペル入り口の奥にもう一つアーチがある
   
 上写真の 左壁に 磔刑  右上 ペリカン(1340年頃)
 
 上写真のアーチの上 1330年(1972年修復) 磔刑のキリストとマリアとヨハネ

上の階にも祭壇
奥の翼付き祭壇画は
1370年頃のもの、マリアサイクルだが、御生誕のマリア様は上半身が裸!中央のマリア像は1350年代の作。

 
 
   
 御生誕 ヨセフが頭をかかえている
 上に羊飼いへのお告げ
 祭壇がの奥の壁、 きちんと撮っていないのが残念
1330年〜40年のフレスコ画

右手のステンドグラスの聖母戴冠は13世紀、その周りの彩色された内壁が綺麗。二連窓の彫刻も面白い。

   
   
 
 二連窓の柱頭(上写真の反対側)

ここは17時閉館。外へ出てそばのショップで絵葉書などを買い、山をゆっくり下りはじめる。
ここは観光地なのでお土産物屋さんがある。少しフリータイムが設けられて自分のペースで歩ける。トートバッグ、ワイン、木彫りのエンジェルなどを買った。途中にキリスト像。

   
 右の道をおりてきた  葡萄畑の向こうにチロル城

18時過ぎ バスで夕食レストランに向かう。 

1840分 ラグンドのUNTER GRANDL KELLER で夕食 
戸外のテラス 横には小さな池もあって気持ちがいい。バスでこの地のビール工場の横を通ったが、そこのビールがあったので注文

     
     
ハム入りサラダ カーネデルリ この地の名物でパン粉団子。チーズときのことホウレンソウの三種類が出た。
美味しかった。デザートはアップルパイ、これも美味。
   
   カーネデルリ これで ひとり分!
   
 アップルパイ  グラッパ グラスも面白い

食後、お店の人がサービスです、とグラッパを持ってきた。強い蒸留酒なのでほんの一口だけ味わった。(三種類あったがどれを味わったのか忘れた)ほんの一口なので強すぎるとは思わなかったが美味しかった、という記憶もない。
2020分 陽が落ちて暮れかけて山が少し赤く染まっているのを眺めながらホテルに戻った。

   
   

2040分 ホテルに戻る。 
町は賑やか。テラスが明るく気持ちがいいので、絵葉書を書いたりしてのんびり過ごす。