3日目

11月4日

ブレシアへ


7時朝食 
8時10分過ぎにホテルを出る。
駅でまず Verona行きが何番線か調べる。16番線だ。地下道におりて探しながら歩く、かなり遠い。各上がり口に数字が書かれているので見ながら行き、そこから長いエスカレーターを三つだったか降りていってホームに20分頃到着。切符にガチャンするのを忘れてあたりを見回すがみつからないので、近くの人に聞くと、これは指定列車だから必要ないと言われた。

Bologna(08:30)→Verona(09:20 × 09:31)//(09:32× 09:45)→Brescia(10:07×10:20)

 
 

列車に乗ると私の席に座ってパソコンを開いている人がいる。 「そこは私の席です」と言うと、「私の席はあそこだから そっちに座って」と指さす、そこは周りに人が座っているので嫌だったから、あいている席に座ったが、そちら側は日の当たる席なので嫌だった。日が射すからいやだといおうかと思ったが ごちゃごちゃいうのも大人げないかと思いやめにしたが、不愉快だった。
検札に来た車掌もべつに違う席に座っていることを何も言わない、切符さえあればかまわないらしかった。日本だとまずこういうことはないと思う。
窓の外の写真をとりたかったがfrecciargentoという高速列車でみかけは新幹線のようだが窓ガラスは曇っていて汚かった。

途中で速度が落ち 駅についたのかと思ったが畑しかないところで殆ど停止状態、様子が分からなかったがしばらくして動き出した。理由が分からないが遅れている。Veronaでの乗り継ぎが間に合うか心配。Veronaに近づくと急ぐ人たちは昇降口に集まっている。私も出口へ。駅についてもう間に合わないかもしれないと、必死で地下道におりて一々表示を見乍らホームを探す。途中で5分遅れの表示を見つけてほっとしてホームに上がる。結局13分遅れで列車が入ってきた。ボローニャで乗る時は何号車の停車位置はどこ、という表示があったが Verona駅にはそれがなく列車の中を延々と歩いて自分の車両に到着。また誰か座っていたが直ぐかわってくれた。やれやれ、こちら側がガルダ湖が見えるはずなのだ。ところがガルダ湖は線路から離れているのか見えなかった。しかしヴェローナを過ぎると景色は山がちでなかなか良かった。ブレシアに着くであろう時間にスマホの目覚ましをセット。車内放送がある時とないときがあるのだ。

ブレシア(Brescia到着。読み方は色々で、ブレッシァとか ブレーシアとかあるが、簡単なブレシアしておく。

ブレシアはローマ時代は Brixia と呼ばれたそうだ。ランゴバルド王国の大公領の首都であったが、774年シャルマーニュの支配下に入った。 私の目的はこのランゴバルド時代の教会をみることだ。

人の流れに沿って行く。駅でお手洗いを済ませてから行動に移りたいと思ったが、 見当たらない。(イタリアの列車にはお手洗いがついていて使えるlevelらしいので、車内ですませた方がいいらしいが、結局一度も利用しなかった)

グーグルマップで 調べた通り、 駅を出て右手にメトロの標識があった。できたばかりで、地球の歩き方の最新号にも触れられていない。バスより早いはずだが外が見えないのは不安でもある。兎も角 切符売り場(自動販売機)のところに行ってみる。うーん? そのうち制服姿の女性がやってきて、英語でVittoria駅に行きたいむね伝えると、教えながら操作してくれた。スクリーンが二つに分かれていて、左のスクリーンを英語にしてtiket buyingを押すとzoneに分かれていて、14€を押す。それで右側にお金をいれると(カードも使える)切符とおつりも出てくる。ついでにお手洗いをきくと、地下鉄の駅にお手洗いはないそうだ。エスカレーターをおりて(かなり深い)ホームへ。電車すぐきて、1分でヴィットリア駅に着いた。出口は一つ、兎も角深い地の底から上がって行く。グーグルアースの写真を印刷してきてあるので、それを見ながら大聖堂のドームを見つけ、その方向に歩きだす。ワン・ブロックいくと新旧大聖堂が見える。 

 
 
広場にはカフェが何軒か。
そこで espressoを飲んでお手洗いを借りて、旧大聖堂である ロトンダRotondaDuomo Vecchio

オープン 900am1200、 15001800pm)
階段を下り行く。入場料はとらない。簡単なパンフレットがあったので買う(1€)

広い!円形教会はサン・カルガーノのモンテ・シエピ教会
http://ykharuka.s113.xrea.com/2012toscana/main.html 4日目 そのV)や 

クロアチア、ザダルの聖ドナト教会
http://ykharuka.s113.xrea.com/CSB09/CSB09main.html 7日目) 

などこれまでにも見たことはあるがそのいずれよりも大きい。

 
 
 
 
円形をとりまくように回廊があり、おりて礼拝堂へ。この部分は10世紀か11世紀初めに造られた。

祭壇の両脇からクリプタ(the Crypt of Saint Filastrio) に下りる階段がある。
クリプタに838年にFilastrioの聖遺物を置いた。しかしこのカロリング朝の遺構が現在みられるのは 境界壁だけ。アプシスなどは112世紀のもの。中央アプシスにうっすらフレスコ画。
栄光のキリストとsaintFilastrioApollonio 1112世紀)

 
 
 
 カロリング朝の遺構と思われる
 
 
 
 
上階は1095年にできたことを示す記述があるそうだ。
クリプタをでて、上の祭壇をみて、ふと床をみると所々ガラスに覆われたところがある。大変、これを見逃すところだった。
ローマ時代(紀元前1世紀)の公衆浴場のモザイクが残っているのだ。ちょっとガラスがくもっている。

   
   
 
 

出口近くに 赤大理石の石棺、ベラルド・マギの等身大の像と彼の生涯が彫られている。この司教は 13世紀半ば、 グベリン党とグエルフィ党の戦いを 終わらせたとして名高いそうだ。

 
 
時計を見るともう11時。  帰りは 13531540155317:40、昨日 サント・ステファノに行ったので1540発でもよいが、暗くなってから帰ることになるので、とりあえずサンタ・ジュリア博物館に急ぐことにする。新大聖堂の横を抜けバス通りを渡ると標識があるのでそれを見ながら進む。15分くらいかかった。
途中 カピトリーノ神殿Tempio Capitolino)があったので カメラに収める。紀元73年にヴェスパシアーノ帝が建てたもの。
 
 

サンタ・ジュリア博物館Museo di Santa Giuliahttp://www.bresciamusei.com/santagiulia.asp
右上に英語の表示がありましが、 簡略なところがあるので、 イタリア語の場面にカーソルを置いてパソコンの翻訳機能で英語にしたほうがいい。日本語にすると意味不明なところが多くて判読が大変。
開館時間 from 1 October to 15 June Monday to Sunday: 10.00-16.00
from 16 June to 30 September from Tuesday to Sunday from 11.00-17.00 入場料は 高齢者割引で5.5
   
 向こうに見える八角家の屋根が そうらしい  入口
 
 
内部は 行き方が難しい。まず案内されたのが、
サンタ・マリア イン ソラリオ教会 12世紀半ばに造られたロマネスクである。 下の階は宝物が置かれていた場所らしい。天井が低く 中央の一本の角柱で支えられている。 以前 フルダでみた、聖ミヒャエル教会のクリプトを思い出した。

   
   
 
 
象牙の 聖遺物箱 ウミヘビ?(上から二段目のこの場面は 魚に飲まれたヨナ の物語と思われるので、魚のはずだが、海の怪物すなわちウミヘビ?)に興味を惹かれた。
ここを観ていると係りの女性が手まねきして狭い出来の悪い階段に導いていく。
上がると明るいフレスコ画の壁に囲まれた部屋、天井は星空のよう。
 
 星空のような天井。 中心はマリア様かと思ったが よく見ると「日の老いたる者」のようだ
 
 時代は下るが 部屋は優しい感じのフレスコ画で飾られている

壁画は16世紀。そうして中央に観たいとおもっていて デシデリウス(Desiderius)の十字架 8世紀末 が置かれていた。

デシデリウス 757年〜774年 実質的には ロンゴバルド王国最後の王である。研究の結果、製作年代は少し下って、カロリング朝で、北イタリアの工房で作られ、何世紀もかかってこのような状態になったのだそうだ。
   
   

貴石 宝石だけでなくカメオも付けられている。(全部で 212個)中央の玉座のキリスト像は10世紀 裏の磔刑は16世紀に付けられている。

 
 
   
   

下部のロケットは3世紀のもの二人の子といる貴族の婦人。サンタ・ジュリア修道院の創始者、アインサ王妃と二人の子供とみなしているらしい。しかし、 これをガッラ・プラキディアとその子供たちとみる向きもある。http://www.bresciamusei.com/nsantagiulia.asp?nm=14&t=Masterpieces%2E+Desiderius%27+Cross

この博物館の構造分かりにくい。 ロンゴバルド時代の教会を見たいと思うのだが なかなかたどりつけない。 受付に行って聞く。 サン・サルバドール教会だけ見たいか、すべてか?とこかれたので、全て、と答えると ローマ時代の遺跡からの発掘品の展示場所に連れていかれた。すぐの部屋に「翼を持つ勝利の女神」(La VittoriaAD1世紀

 
 
   
   
実に素敵だ。 勝利の女神ニケはルーブルに首の無いのがある。 
これは青銅製。青銅製のものは鋳なおされるため残っているものは少ないそうだ。頭もちゃんとある。美しくて
Venus(アフロディーテ)のようだ。 
もともとヴィーナス像があり、それを模倣して このような女神像がいくつも作られたそうだ。ヴィーナスに衣と翼を付けて。
このブレシアの女神も後から翼を付け加えられている。

この像は片足を少しあげているが、これは 戦の神マルス のヘルメットに足を載せていて、手をあげているのは 勝利者の名を記した盾をもっていたためと思われている。この博物館は 所蔵品がとても多いので 二部に分けます。 3−Uへ