8日目

そのⅡ

ラヴェンナ　（サンタポリナーレ・ヌオーヴォ教会　司教座博物館）

11：16のバスでラヴェンナに戻る。駅前でおりないで、次の目的地サンタポリナーレ・ヌオーヴォ　の近くで降りる。
下の地図で星マークが訪れたところ

サンタポリナーレ・ヌオーヴォ教会　S・Apollinare Nuovo　（11:35～ 12:05）
テオドリクス王が　493～496年にアリウス派のために建てた教会

テオドリクス王は東ゴートの王であったが、特権を認められた人質としてコンスタンティノポリスで養育された。
ガッラ・プラキディアの息子ウァレンテニアヌス帝が455年殺害されたあとの混乱の中オドアケルによりラヴェンナは占拠されていた。
オドアケルを刺したテオドリクスによる支配が493年に始まった。
その後　540 年にユスティニアヌス帝はラヴェンナ入りし、751年までラヴェンナは「ローマ帝国」の西の行政の中心だった。

560 年にカトリック聖堂となった。鐘塔は１１世紀初めのもの。38.5ｍ
ここで　共通入場券（9.5€）を買う。　7日間有効でこれから行く５か所に入ることができる。

モザイクが目当てだが、今回は前には気が付かなかった　内陣障壁パネル（6世紀）にも注目　

身廊の右側の壁から見ていくと（逆光ではっきりしないが）

ラヴェンナの宮殿から出発する聖人の列　
宮殿もローマのパラティウムとなっているが、テオドリクスの宮殿であったものがこの時改変されたのであろうといわれている。
そのため、殉教者を先導するのはマルティヌス。
身廊の最上部は　冠を置いた貝型のニッチと　キリストサイクルが交互に描かれている。
これは現存するキリスト伝としてはもっとも古いもの。
こちら側ではキリストは巻き毛で髭の無い若い男で高貴な紫の衣装をつけている。
その下には人物像（旧約の預言者あるいは福音書記者、名前は特定できていない）

三段目、左から3番目の柱に手！このことから　三段目は図が改変されていることがうかがわれる。　
つまり絞ったカーテンが掛けられているところには　人物がおかれていて、それが消されたのだ。

宮殿もローマのパラティウムとなっているが、テオドリクスの宮殿であったもの

天使にはさまれた玉座のキリスト（当時のまま）

殉教者と処女が行進する図を作らせたのは司教アグネルス。『初期キリスト教美術・ビザンティン美術』ラウデンによる）
司教アグネルスは　561年年頃アリオス派の教会財産を没収して正教用に改変するようユスティニアヌスの指示を受け、
この教会は　聖マルティヌスにささげられた
（その後アポリナーレの遺体がクラッセからもたらされて現在の名前に変わった）。
殉教者や処女の列も　テオドリクス王家関連の人々の行進だったとも考えられるそうだ。
向かって左側

クラッセの港から出発する聖女の列

クラッセの港から聖女たちが出発　マギは修復が著しいがクラッセの町はオリジナルではある。
左側では　髭を貯えた壮年の姿で受難を表しているが磔刑図はない。

マギは修復が著しい

聖母子（オリジナル）

こちら側ではキリストは髭を貯えた壮年の姿をとっている。

中庭（突き当りにお手洗いの表示）

12時過ぎにここを　出て大聖堂方向に向かう。
司教座美術館　Museo Arcivescoville
建物に入ってショップを過ぎて奥の階段を上がる。博物館入口の横にはお手洗い。　
入ってすぐの部屋は　大理石の彫刻断片、ロンゴバルド風のものがあった。　
その部屋を過ぎてすぐ左を見ると、短い廊下奥にモザイクが見える！！