2日目

4月11日

テヘラン〜シラーズ


6時45分  集合、
来るはずのバスが事故に遭ったとかで、代わりのバスが遅れてやってきたが飛行機に乗るのには充分間に合った。
道中で、見たアルボルズ山脈は雪をかぶっていた。
走っている車は少し型が古いのが多いが割りに綺麗な車が走っている。(去年見たエジプトとは大違いで、タクシーなどは新車のようだった)
テヘランの空港にはポーターがいない。各自、自分のスーツケースを引っ張って歩かなければいけない。
空港の入り口は男女別々。でも入るとすぐいっしょになるので何のために分けるのか分からない。
チェックインしてまた男女別々にセキュリティチェック。
飛行機に乗るのに、バスに乗ってタラップをあがらなければいけない。いつもは大きいスーツケースのほかにキャリーカーを引いて歩くのだが、地方空港だとタラップを上り降りすることがあるかもしれない、とサブバッグ用に、若向きだが軽い、レスポのウイークエンダーにしたのだが、正解だったようだ。
8時30分 出発 

白いところが塩湖

私は気がつかなかったが、飛行機がロシア製で
古かったようで、心配した、とおっしゃる方もいらした。
途中、下を見ると湖に氷でも張っているのかと思われるように白く見えるところがあった。
あとでガイドさんに聞いてみると 塩湖とのこと。
昔ペルシャ湾とカスピ海はつながっていて、その関係で塩湖が多いそうだ。
9時頃ランチボックスを配られる。
 
9時40分 シラーズ着  標高1600m
バスだとテヘランから11時間かかるが、飛行機だと約1時間。
すぐバスに乗って、観光に出発。

今回のツアーにはスルーガイドがつく。アリーさんという 峰岸徹 に似たハンサムな男性で、日本語はペラペラでジョーク好きの楽しい人。

空港からシラーズ中心街への道

イランの国土の52パーセントは山で、25パーセントは砂漠だそうだ。北のカスピ海の手前のアルボルズ山脈、南西のエルブルズ山脈に囲まれていて、雲がさえぎられるので、殆ど雨が降らない。
 道の両側にはイラン・イラク戦争で亡くなった方の顔写真が掲げられている。道の名前もこの戦争で犠牲になった人の名がよくつけられているそうだ。
 街路樹は溝に植えられていて、そこを水が流れていた。右ぼ写真のように、今回行った町では、どこからもこのようなハゲヤマが見えた。
 〜11時10分 ハムゼ廟
 聖人の霊廟では、靴を脱ぎ、入り口で配られるチャドルという布を頭から被らなければいけない。でも私はビデオを撮っていて、入るのが一番最後になったら、数が足りなかったようで被らないで入って大丈夫だった。(イランはきびしい、と思い込んでいたのに、そうでもなさそう)


 ここは鏡細工でキラキラ。まん中に聖人のお墓があった。

ドーム お墓 
横の方のようにチャドルをすっぽり被る

足元にはお墓(中庭)


この中庭にはお墓がたくさんあった。
遺骸は横たえられてはいるが顔はメッカの方向に向けられているそうだ。
またオレンジの木が植えられていてとても良い香りがした。
 
 

バスに乗って次はヴァキール・モスク  

 

正面、この奥にミフラブがある。ここは修復中で、池の水も抜いてあった

1773年に完成し、1825年に改修された、ザンド朝を代表する寺院建築で、この時代の特徴としてピンクのタイルが多くつかわれていて華麗なのだが、私はタイルが貼られていない大理石の柱の列がフランスのフォントネー修道院のようで、美しいと思った。
お祈りする場所は夏用と冬用があり、日当たり、窓の有り無しなど工夫されている。

上の写真の反対側、
アザーンのための塔である
メナーレが低い

ここは夏用でクーラーなしでも涼しい。
すっきりした柱の列フォントネー修道院を思い出した

ミフラブ(メッカの方向を示す)

入り口右側の壁

入り口天井のモザイクの拡大
このツアータイトルは『華麗なるペルシャ紀行』だが 
早速その華麗なるペルシャにお目にかかった


 次いですぐ横のヴァキール・バザールへ。天井の煉瓦細工が美しい。

布地屋さんが多い。キラキしている布は遊牧民の衣装だそうだ。
 (現在、遊牧民は30万人いて、1000年前とほぼ同じ生活をしているという)
バザールで、カーリ・ミーナとよばれる、金属の皿や壺にエナメルで絵を描いたものをいくつか買った。手描くきとそうでないものはお値段で二倍以上の違いがある。折角だからと手描きのものにした。お金はドルが使える。おつりがないかと思い、ちょうど100ドルになるよう(勿論値切って)な買い物をしたが他の方を見ると、半端な値段でお釣りももらえていた。 

 

 

スパイス屋さん

レストラン シャルゼ で昼食  第一回目のイラン料理である。 
飲み物はついているが、アルコール類はない。 
シラーズというワインを飲んだことがあるが(オーストラリアワイン)その名はこの地名からきていて、ここは昔から美味しいワインができるので有名だったがイスラム革命でアルコール禁止になったのでつくられなくなったそうで残念なことだ。
ヨーグルトドリンクというのを頼んでみた。飲むヨーグルトだが、酸味が強く塩味もして、皆さん不評だったが、私はさっぱりして美味しいと思った。

ヨーグルトドリンク と ナン ケバブ

サラダ、スープ(少し塩からかった) ケバブ(鶏肉と牛とマトンのミンチ)、どちらも美味しかった。 付け合せは焼きトマトと生の玉葱、ピーマン、檸檬。生の玉葱など食べる気がしなくて残したが、お肉にはあうようで、美味しいとおっしゃっている方が多かった。チャイ(紅茶)も美味しかった。
ここではイランの民族楽器を使った生演奏を聞いた。

ブルガリアで見た、チェンバロの元の楽器、ダルシマーのさらに原型のサントゥール、という楽器(中央の箱、弦が張られていて、木琴みたいに叩く)が使われていて興味深かった。
ヴァキール・モスクに入る前にも、見たが帰りにもキャリム・ハーン城塞の横を通った。

 四隅のタワーの彫刻がよかった。

このタワーは傾いていた

バスに乗ってから、ガイドのアリーさんがデザートに、とファールーデ・シラーズというレモン味のシャーベットに白い1センチくらいのそうめん状のものがのっている(パリパリして食感がいい)ものをご馳走してくださった。

〜2時25分  ナシル・アル・モルク・モスク(別名ローズ・モスク)
19世紀、ガジャール朝のもので建てた人は王家の血筋で富裕な商人だった。ヨーロッパにも旅したのでキリスト教の教会を描いたタイルも飾られていた。

夏用モスク

冬用モスクの壁、はっきりしないが、
西洋の建物が描かれている


 また所々、木製煉瓦がはめこんであった。地震対策だそうだ。
 ここのタイルの色はピンク、青、黄色、黒などさまざまでこのようにたくさんの色が使われるのは19世紀のモスクの特徴。
 時代によってモスクのタイルの色は変わってきている
 13〜15世紀 のモスク   煉瓦とタイルのミックス
 15〜17世紀 (サファービー朝)青とブルーとアリーさんは言っていたが、青と水色ということだろう
  18世紀ピンク
 このモスクの奥にはカナートがあった。
 カナート(古いペルシャ語ではカレーズ)はイランで発明された地下水路のこと。
紀元前2000年からあり、ヤズドが発祥の地。それがエジプトや中国にも伝わったそうだ。 深い井戸で、そこから水をくみ上げるのに人力では無理なので牛がロープをひっぱった。そのとめの牛をつなぐ輪があった。

このモスクの模型
中庭右手が夏用で、回廊で陽射しが
さえぎられる

カナート(深い井戸の底に水が見えた)

ここも夏用と冬用に分かれていて、夏用は回廊があり、陽射しをさえぎるようになっていて、外より10度くらい気温がひくいそうだ。入るとやはりひんやりした。
 〜3時10分 サーディ廟
サーディはイランの二大詩人の一人で、旅を愛し1291年、105歳まで生きたという。旅行すると長生きするらしい。
広い敷地の奥に廟がある
イランはこのように空が青くて広々として標高が高いせいか、空気も軽いような気がした。

サーディ廟の庭園と廟

お墓

壁にタイルには詩が書かれている

カナート

 

廟の横の地下にもカナートがある。
ここは池みたいで小さい鱒が泳いでいた。
トレビの泉のようにコインがたくさん投げ込まれていた。
鏡もはいっていたが、これは失恋した人が投げ込んだらしい。

ハーフェズ廟 
この1324年シラーズに生まれた詩人のお墓は屋外の東屋風のところにあった。
棺の上には詩が刻まれている。 小学生が見学(?)にきていて、ハロー、ハロー、アイラブユーなだといってさわいで、写真を撮ってほしがる。デジカメで撮って再生してみせると大喜び皆、天真爛漫でまた美人が多い。

ドームの下にお墓がある

エラム庭園 
エラムとは天国/楽園の意味で革命前はパフラビー王の別荘だったが今はシラーズ大学の植物園になっている。植物園なので色々な種類の木が植えられていて 日本のKAKI (柿) もあった。
120年前ガジャーエウ王朝の時代に建てられた建物があった。
前に池があり噴水から勢いよく水が出て涼しくて気持ちがよかった。

拡大すると、絵がもう少しハッキリ見えるはずです

砂漠の国では 天国とは 水があること、緑があること、薔薇が咲いていること、美人がいることだそうだ。ここは薔薇の名所のはずだがまだ時期が少し早かったようであまり咲いていなかった。
暫く自由時間でお花の咲く庭を散策した。

学生たちのおしゃべり 
男女一緒で、写真も心よく撮らせてもらえた

4時30分  ホマホテル 着
お部屋は広くて、ティーセットがあり、タオル地のスリッパもあった。
9階なので眺めが良い。山に囲まれた町だ。シラーズ自体1600メートルの高地にある。

部屋の窓からの眺め

私はバスをつかったりしてお部屋で過ごしてしまったが、近くのお店やホテルのショップでしっかりお買い物なさった方も多かったようだ。
7時 夕食(ホテル内のレストラン)サラダ、スープ、デザートはビュッフェ (このあとも殆どのところでお食事はビュッフェスタイルだった)メインはステーキ、また飲み物もセットになっていて、水かコーラを選ぶ。

食後、ホテルのショップがまだあいていたので寄って、あれこれ迷ったすえ、ペルセポリスの彫刻をモチーフにした銀のペンダントトップを買った。