5日目

8月16日  

スライゴー〜コネマラ国立公園〜コング〜ゴールウエー


      曇り

朝食前にホテルの近くを散歩する。ホテルは市の中心地からは離れている。5,6分歩くとさびれた人の住んでないような家のある所にきた。

スライゴーは昨日のドラムクリフもそうだがイエーツゆかりの土地だ。イエーツの詩にイニスフリー(The Lake Isle of Innisfree)いうのがある。
朝食前にホテルのフロントで地図を見ながら、イニスフリーのあるギル湖に行きたいのだが、と相談してみる。車なら15分くらいだというので、9時出発に間に合うと思いタクシーを頼む。
車を8時に予約して朝食をとっていると、少し早めに車がきた。

山間の木々の間から時折湖の見えるとてもすてきな道を行くので大感激。でも運転手さんは小さな家を見ると恥ずかしそうに、アイルランドは貧しい、という。昔はそうだったかもしれないが、今はIT産業でとても豊かな国になったのではないか、というと、そうだ、といい自分の親類で日本に行ったことのある者がいる、などと話していた。

来る少し前に『アイルランドの薔薇』というミステリーを読んだ。紛争がらみのスパイものだが、作者はアイルランドの景観が好きな人のようで、そういう点でも面白く読めたのだが、その舞台がスライゴーの湖近くの宿屋なのだ。このあたりかな、と思いながら、窓の外を見る。
途中道を牛が占領していて、時間が気にかかる。 
車がやっと一台通れるかどうか(バスは無理)という細い道をいくと目の前にパッと湖がひらけた。

イニスフリー島

                 イエーツの詩

I will arise and go now, and go to Innisfree,

And a small cabin build there ,of clay and wattles made:
Nine bean-rows will I have there ,a hive for the honey-bee, 
And live alone in the bee-loud glade
And I shall have some peace there ,for peace comes dropping slow,
Dropping from the veiles of the morning to where the cricket sings;
There midnight's all a glimmer, and moon a purple glow,
And evening full of the linnet's wings.

I will arise and go now, for always night and day
I hear lake water lapping with low sound by the shore;
While I stand on the roadway , or on the pavements grey,
I hear it the deep heart's core

 イニスフリー島がとても小さいのに驚く。ボートでしか行けないらしく、小さいボートもあった。
小学生が探検ごっこでもするのによさそうなかわいらしい島。 時折小鳥のさえずりが聞こえるほかは何も音がしない。静かな静かな世界。本当に夢のような光景。 ロマンチックでないのは、小さい蚊のような虫がもやもやと沢山飛びまわっていること。さされはしなかったが。

ギル湖

10分くらい佇んでまた車に乗ってホテルの戻る。またもやのんびりと牛が歩いている。運転手さんも私が時間のないのをよく知っているのでイライラ。でも予定通り、8時45分にホテルに戻ることができた。たった45分の旅だったが、非常に満たされた思いがした。

9時  出発 

10時50分〜11時  ウエストポートの町のホテルで、トイレストップ、古い館ですてきだった。

12時〜2時15分 カイルモア修道院 (19世紀にある国会議員が自分の妻のために建てたが、その後修道院となり現在は修道女の経営する全寮制の学校)で写真ストップ。
湖のようだがここは深い入り江らしい。水辺に佇む修道院はまさに絵葉書。

フクシアの花が綺麗だったアイルランドにはフクシアがあちこちでさいていたが色は赤といってもオレンジから、赤紫までさまざまだった。

 フクシアなど

12時25分〜1時30分   コネマラ国立公園 
1.4キロメートルという短いハイキングコースを30分ほど歩く。
ヒースやフクシアなどが咲き、 山の上から見た湖や山々の美しさはたとえようもないほどだった。小さいストーンサークルがあった。

ハイキングコースの入り口
山はダイヤモンドヒル

途中の眺め、  写真が良くない
実際はずっと綺麗だった

立っている人達の周りがストーンサークル

ビジターセンター

フクシア

ヒース

2時〜3時15分 クリフデンのレストラン、アルコック・アンド・ブラウンで昼食
 ここはホテルのようで、明るい感じの大きなレストラン。
 サラダ(赤ピーマン、レタス、玉葱、、)、シーフードパイ、キャラメルカスタードプリン生クリーム添え 紅茶

食後 クリフデン〜コングへ 途中は川なのか、湖なのか、また所々湿地帯で景色が素晴らしい。
 ヒースも咲いている。走り抜けてしまうのはもったいないような美しい景色。
 バスの中から撮ったビデオからのカットでなさけない写真だが、本当にアイルランドは綺麗なところだ。

バスの中から見た景色

コングはゲール語(もともとのアイルランドの言葉)で、水と水との間の土地、という意味だそうだが、まさにそういうところを走った。
4時35分〜5時5分 コング
コング
はコリブ湖の北端に位置する、ジョン・フォード監督の『静かなる男』のロケ地として有名になった町だが、修道院(623年創建)の廃墟がある。
1128年に建てられたという廃墟を見る。、柱頭などに少し彫刻がのこっているが花の図柄などこれまでに見たことがないものがあった。

回廊の一部だと思われる

入り口のアーチ

柱の飾りが珍しい

柱頭彫刻をいくつか

 『静かなる男』というジョン・ウエイン主演の映画で使われたる家があった。
そのそばの川の流れが非情に美しかった。もう少しゆっくりしたかった。

『静かなる男』の家

左の家のすぐそばの川

6時 ゴールウエイ のホテル、アーディロンハウス着。
市の中心部からは離れているが、重厚な感じのする素敵なホテルだ。ただし私の部屋は可愛いが眺めはよくない。
アイルランドの代表的作家であるジェィムズ・ジョイスがよく泊まったらしく、ジョイス夫人ノラ・バーナクルの部屋というのがありジョイスの家族を描いたデッサンがたくさん飾ってあった。

7時30分から夕食  チョイスメニューでとても美味しかった。

私の泊まった部屋

私の選んだのは 
ハネデューメロン、苺などのフルーツ添え
ポーク アップルソース
チーズ(青カビ、カマンベールなど)ぶどう添え
 
白ワインをグラスでたのんだ