
8日目
8月10日 ブルゴス→カストロヘリス→フロミスタ→
サント・ドミンゴ・デ・シロス→ブルゴス

6時 起床
7時 朝食
8時 出発 少し肌寒い
E80で、行く。所々に、ひまわり畑 。麦を刈ったあとの茶色の枯草地。緩やかに続く金茶色の丘、また、心に残る印象深い光景が一つ増えた思いである。

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バスの中からなのではっきりしないが、ひまわり畑
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カストロへリスへ向かう。
途中、運転手は道を間違えて、かなり戻る。でも、黄色い丘の少し寂しい眺めが、気にいっていたので、苦にはならない。
道中の添乗員が、どういうつながりだったか (旧約聖書の)ダビデがウリヤの妻であるバトシェバを気に入って、ウリヤを激戦地に送り死なせて、バトシェバを妻にしてしまうが、それを、ダビデは、ずっと悔いていて、『我が咎、常に我が前にあり』、と言った、という話をしてくださった。
この話はよく描かれ レンブラントなどの絵画作品では知っていたが文章は知らなかった。
突然、 吉屋信子 の『花物語』 を思い出した。何十年も前、小学校の頃読んだ本の記憶。罪の子より、というのが、心にかかって思い出したのだ。旧約のどこに出ているのか 日本に帰って探したら、詩編 51 に出ていた。(この出来事自体は、サムエル記 に出ているが)、後悔の言葉は、詩編に出ている。 バトシェバの気持ちは書かれていない。また、ダビデは神に許されないという気持ちは持っても ウリアに対して、すまなかった、とは書かれていない。吉屋信子の小説では、相手の少女に対して、罪を感じているのに。
バスを降りると、気温は14度、ワンピースに、薄手のジャケットをはおってもまだ寒い。
カストロヘリスは、ローマ時代からの町で、一説によると、シーザーの作った町。巡礼によって大きくなったという。
9時〜10時 町の散策、一本道の両側に、巡礼宿のようなホテル、民家、15分も歩くと端まで行ってしまうような小さな集落だけれど、教会が三つ。
サンファン教会、サントドミンゴ教会 コレヒア−タ・デ・マンサーナ教会。(これが一番大きくて立派)
どれもロマネスクから、初期ゴシックといった作りで、あまりその後の手の入っていない(修復されていない)ような所が、ちょっと寂しいが、それなりの雰囲気がある。そばの丘の上には、お城の廃墟。
マンサーナ教会の向こうに続く野原、遠くに緩やかな山なみ、心にしみわたる、静かな静かな美しい光景。

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マンサーナ教会へ向かう
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マンサーナ教会(後ろ側)
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巡礼
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村はずれのバスとの待ち合わせ場所、ここからは、遠くに修道院が見える。寂しいけれど、のどかで、心安らぐ、光景。

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遠くのなだらかな山
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ここからの道は、バスが通れるのかしら、と思われるほどの狭い山道。重なる丘の連なりが美しい。
途中、ブルゴス県と、パレンシア県との境にある、ピスエルガ川の橋のたもとで、写真ストップ。(この北スペインのトップページの巡礼路の看板のあるところ)
集合写真を撮る。ここにかかる橋は巡礼路なので、ここを徒歩で、渡る。
フロミスタ を遠望する川のほとりでも写真ストップ。

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ビスエルガ川、ここも巡礼路
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別の川、ここからは、フロミスタを遠望できる
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11時〜11時50分 フロミスタ のサン・マルティン聖堂。
着くとまず、トイレだが、スペインの田舎は、高速のサーヴィス・ステーションで、ということがなくて、バルでだいたい1ユーロのカフェ・ソロをたのんで、トイレを使わせてもらう。
このコーヒーが、どんな田舎でもとても美味しい。
サン・マルティン聖堂は、スペインの代表的なロマネスク教。、でも今世紀に、修復されていて、作りや、彫刻ははっきりわかるけれど、新しすぎて 何だか落ち着かない。

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フロミスタ サン・マルティン聖堂
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柱頭彫刻、修復によりとりはずされたものはこのように、展示されている
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この教会を、1066年 サンチョ三世の未亡人が、ハカの大聖堂に倣ってつくった、という。しかしハカのとは、似ていない気がする。ここは、現在は教会として使用されてはいないようで、祭壇の場所には、修復のため取り外された、もとの柱頭柱頭彫刻が飾られている。それほど、磨り減っているわけでもないので、そのままで良かったのではないか、と思った。
始まるまでかなり待って、ここを建てた時の話のムービーを見た。(天井に映写される)
絵葉書を大急ぎで買って、12時バス。
シロス のグレゴリアン聖歌に間に合うかどうか、気が気でない。
狭い山道をぐんぐんスピードをあげて飛ばしていった。
途中、レルマという町を通る。お城のような建物があった。現在はパラドールだそうだ。
途中には、緑の森もある。
13時20分 シロスの町が見えて、感動。ここも、長年、あこがれていた所。
13時45分のグレゴリオ聖歌に間に合う。
聴いているのは、観光客と思しき人々ばかりのようだ。(かなりいっぱい)
考えてみたら、この小さな村に、それほど人が住んではいないし、彼らが毎回聴きにくるわけでもないのだろう。
修道士たちが次々出てきて、席に着いていく、こういうところは、現地に来なければ、見られない。
でも歌は、教会の大きさのせいか、少しかぼそかった。しかし、帰って、買ってきたCDを家で聴くたびに、あの時の教会の様子が思い出されて心が満たされる。
14時に終わって、昼食、ホテルTORESCORONAS
パスタスープ (昨日のホテルの方が美味しい)
チキン煮込み パプリカ風 甘味があって美味しい
アップルパイ 美味しい パンも自家製でお美味しい
ワインも壷に入った自家製
回廊が開くのは、16時半なので、ゆっくり散歩
近くの丘に登って、村を見わたす。健脚な方々は、ずっと向こうの山までいらしたようだ。
絵をお描きになっていらっしゃる方も何人か。

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丘の上から見た教会
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回廊の入り口
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16時30分〜17時45分
修道院の見学
薬局は14世紀のもので、陶器の壷がずらりと並んでいる。どこかで見たような気がする。そういえば、ボーヌの施療院もこんな感じだった、と思った。
回廊は、11〜12世紀ロマネスク彫刻の傑作。やはりトマスの不信は素晴らしい。
彫刻しか知らなかったが、回廊の天井は木でできていて、ビザンチン風というか、いろいろな、模様や動物などが、描かれていてきれいだった。これは、来て初めて知ったことだ。
回廊は二階建てで、同じ二階建てのリポールより、狭い、というか、手ごろな広さである。しかし、スペイン一の美しさとも言われる回廊だけあって、観光客が非常に多く、あちこちのグループのガイドの説明がやかましいほど。
そういえば、入る時も長い行列だった。(我々は、すぐに入れたが)
18時50分 ホテルに戻る
夕食まで、時間があるので、丁度、ホールで一緒になった、Tさんと町に出ようと歩き始めたら、大粒の雨。ホテルに戻った所でやんだので、二人で、スーパーに行くことにした。
近い、と聞いたけれど、10分位かかった。
ピアス(ケルト風)と、ペンダント、(22ユーロ)水、イカ墨のかん詰めを買う。
20時30分 夕食
アスパラガスのスープ、タラ(大きい) 子牛肉のフライ プリン、(多すぎ)
今日はビールにして、サン・ミゲルを飲む。主人のお勧めなので、記念にラベルを剥がして持って帰る。
カストロヘリスの景色、シロスの回廊、本当に素晴らしい一日だった。
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