4日目ー2


ノートルダム・ナザレット教会へ。16時20分〜55分

6世紀ごろまでに(推定4世紀末)出来た最初の教会の跡に11世紀に再建されたもので、拡張されて13世紀に現在の形になった。
 
正面上部の彫刻が面白い。ローマ遺跡からもってきたものだろうか。 それとも最初の教会に残っていた彫刻なのだろうか。 

教会正面上部 カメラが望遠ではないので、写真をピクセル等倍にして切り取ったためかなり粒子が粗いが、
太陽神ヘリオスのように思える

中に入る。
プロヴァンス・ロマネスクで、翼廊のないタイプ。

アプシス、柱はローマ時代のもの
手前は聖クナンの石棺(6世紀)、奥は司教の椅子
周りをとりまいている三段の石段は聖職者たちのベンチ
聖クナンの石棺の反対側
これも6世紀の祭壇

一度外に出てから、回廊に行く。11世紀に造られ、12世紀に改築19世紀に大規模修復されている。

回廊には、15世紀の表裏のない十字架、石版などが展示されとても興味深かったがどれにも説明がなかった。

15世紀末の表裏のない十字架 聖母子 反対側には磔刑

これは何を表しているのだろうか。
首飾り?のようなものを着けていて、
どうやら舌をだしているよう
私には異教的に思えるが
花や、下部の渦巻き状迷路的なものも面白い

青海波

組紐模様、これとまったく同じではないが、同じような組紐模様が 『西洋の誕生』では5世紀、と書かれていた

青海波や組紐模様があれ、。クリスモンや十字架もあった。

クリスモン (『西洋の誕生』によると)5世紀

買ってきたパンフレットにはメロビング朝(481年〜751年)、カロリング朝(751年〜987年)のものと書かれていたが、詳しいことは書かれていない。しかし、何点については『西洋の誕生』 柳宗玄著作選 1 八坂書房  には写真が出ていて、5世紀となっていた。今日は現地ガイドがついていない。添乗員さんは頑張って説明してくださったが、、、。
クリスモンは車輪型であるが、車輪は太陽の運動を表している。入り口上部のギザギザで囲まれた人の顔といい、古代ローマ時代からの歴史を持つこの町ならではの、キリスト教が太陽信仰と結びついていたこと・の証を見るような気がした。(私の勝手な推測です)

回廊より鐘楼を望む。

三層になっている屋根のうち中段の屋根の下の軒蛇腹にラテン語の碑文。まだ解釈されていないらしい。

軒蛇腹拡大

さすが、広大なローマ遺跡を持ちその後は司教座があり、宗教会議(5世紀、6世紀)も開かれた町だけあって、古代と中世のつながりを示す、非常に興味深い教会だった。ここに来られて大収穫。

教会を出て、ローマンブリッジまで歩く。(5分ほど)ここで、集合写真を撮った。
アーチがひとつだけ、開口部の幅は17メートル。高さ10メートル、幅9.5m
壊れて造りなおされたが。足の部分は当時のものだそうだ。

ローマン・ブリッジ

その後徒歩で、ビュイマンス地区をみて、博物館へ、
ここの博物館は発掘品が多数展示されていて、とても見ごたえがあった。
ハドリアヌス帝の后、サビーナ、やドミティアヌスなどの彫像、それから、銀製の貴族の胸像、仮面劇の仮面など。

ドミティアヌス帝(81年〜96年) ハドリアヌス帝(117年〜138年)妃サビーナ

銀製の貴族の胸像


ここを出ると、もう17時50分

博物館を出たところ、ここも遺跡、薔薇が満開

このあとは円形劇場を見ることになっている。添乗員さんが促しても誰方も一歩も踏み出されない。疲れて、早く座らせてほしい。ローマ劇場ならオランジュでもう見たのだし、、。ということで、カット。時間があれば、聖クナン教会にも行ってみたかった。

フランスのポンペイというが、やはり、イタリアのポンペイの方がすばらしい。屋敷の規模などはポンペイよりも広大らしいが、、、。
それにもまして、中東やモロッコの遺跡がいい。荒涼とした大地に自然と化しかけている遺跡には寂びさびとした廃墟の趣があって、私は好きだった。どうも現代の町に囲まれて窮屈そうな遺跡は眺めとしては良くない。その後も町が発展してきた証拠ではあるのだが。
しかし 遺跡が石材の供給場所として切り崩され、飾りのある柱や彫刻された石版がそのまま転用されているところに面白さを感じた。

18時45分バスでオランジュに戻った。
バスは旧市街の外周道路でとめて、歩いてホテルに行く。荷物はホテルの車が運ぶ。
ホテルはアレーヌ・クルム 市庁舎のそばの古い建物。 
なにやら、賑やかな音。隣の広場ではパレードをやっている。添乗員さんがチェックインの手続きをなさっているあいだ、それを見物。

十字軍?聖職者 子供

竹馬!

庶民もいれば貴族も

いろいろな階級、職種の仮装をしていて、見飽きず、添乗員さんには悪かったが呼びに来るまで粘って見ていた。

19時30分 ホテルで夕食
魚介入りサラダ、 鱈のホイル焼き、スパゲッティ添え   カスタード・タルト
ワインはAさんお勧めのロゼ 辛口の白ワインのようで、さっぱりしていて美味しかった

ロゼワイン タヴェル 魚介入りサラダ

鱈のホイル焼き カスタード・タルト

ここの経営者はイタリア人らしかった。
プロヴァンスワインは値段の割りに美味しいそうで、5ユーロもだせば美味しいものがあるそうだ。ただし、シャトーヌフ・ドゥ・パップだけは20ユーロ出さなければだめ、とのことだった。

お部屋は少しせまくて、スーツケースを二つ広げるのがやっと。
プロヴァンスプリントのベッドカバーが可愛い。