7日目ー2


1時間ほどバスに乗ってガナゴピー・ノートルダム修道院
Ganagobie Town Village visit - by Provence Beyond
   (町の案内 英語です)
高台にあるので最後はイロハ坂。バスの車体が長いので、転落するのではないかと怖かった。
バスを降りて10分くらい坂道を歩いて修道院教会へ。
入る前に後ろのテラスから、デュランス河を眺める。(シストロンより、下流になる)
上の案内によると、この台地に第二次大戦中マキ(対独抵抗運動の地下組織)が隠れていたそうだ。

15時45分から16時30分教会見学 

この小修道院はは9世紀にシストロンの司教によって基がきずかれ、10世紀には クリュニュー修道院のものとなった。現存する教会は12世紀のもの。

まず教会の入り口

教会入り口 プロヴァンス・ロマネスク 修道院の模型 右が教会

ここはクリュニュー系の修道院なので、装飾がある。
アーチの花綱模様がユニーク。
タンパンの中央には栄光のキリスト その下の二頭の羽の生えた動物、聖書らしきものをつかんでいるので、福音書記者と分かる、がライオンか牛か見分けがつかない。 買ってきた解説書によると右がマルコを表すライオン、左がルカを表す牛だそうだ。上の右はヨハネを表す鷲、左は人でマルコ。
四福音書記者に、天使も二人いて、これは黙示録タイプであるが、まぐさ石には長老たちではなく12使徒。右から二人目が鍵をもっているので、ペテロと分かる。

入り口上部 タンパン彫刻、


中に入る。アプシスには少し高いところに五つのアーチがある。

この教会には床モザイクがあるので有名だとのことだった。 私は床モザイクというとローマ遺跡を思い浮かべるので、ローマ遺跡の上に建てられた教会でモザイクはローマ時代のものが残っているのかと思っていた。
よく見るとドラゴン退治の騎士(ゲオルギウス?)の鎧が中世のもの。そのほかの図像もロマネスク教会のタンパン彫刻などによく見られる図なので、ロマネスクのものと分かった。
買ってきた本によると、1120年〜1130年の10年間に作られたもので、このように、内陣の床モザイというのは珍しい。宗教的行事の中心部分にこのような、ケンタウロスやグリフィンがいるなんて、聖書とは関係ないし、象がいるというのも面白い。背中に建物をのせている。柱頭彫刻ではよく司教がその教会をささげるという図はあるが、象とは!。
買ってきた本によると、中世の動物誌では 象は祝福のシンボルとされているとあった。

左には 頭がひとつで体が二つの怪獣

城のような建物をのせた象

斜め十字はアンドレ十字、区切られた四つの中にはパルメット(椰子の葉)模様

騎士のドラゴン退治
どれも図像はオリエンタル。 エミール・マールは このような怪物図像をオリエントの織物の影響とみている。

また象にかんしては 柳宗玄『ロマネスク彫刻の形態学』 では、それを見慣れぬ中世人にとってはこれも驚嘆すべき怪獣の一つ

であり、その巨大なること背の上に城をのせることもできるとまで思われていた、 とある。

人間の能力を超えた野獣の力に 恐怖と畏敬の念を抱き、それが宗教的感情にも高まった古代人の心性がつくりだした怪獣が古

代エジプト、オリエントにあり、 中世では怪獣が神格化されることはないが、人間の持つ潜在的な一種の恐怖感が、怪獣を創り出

したと、氏は見ておられる。

壁際にY夫人が古い石棺を発見された。
8世紀のもの。渦巻き、人。線、花。上にアーチ。横には十字架が彫られているので、聖職者の棺だと思うが何となく異教っぽくて面白い。この図柄はともかく死者への祈りをあらわしているらしいが、渦巻きなんて、ちょっとおまじないっぽい。(渦巻きは太陽を表す)
買ってきた本には 真相は故人とともに土の下、とあった。

8世紀の石棺

拡大してみると、花の中心が人の顔のように見えなくもない

横から見ると、

今回のツアーで見た彫刻の中でこれが一番興味深かった。 

回廊

教会の南に回廊がある。教会からガラス越しに見える。回廊に入りたくて、教会の横にまわってみたがだめ。
でもそのとき奥にボリーを発見。 ボリーはこのあたりに昔からある石の小屋。一昨年ウエールズでこういう豚小屋を見たことを思い出した。

修道院の庭園、左にあるのがボリーと呼ばれる石の小屋

それから少し下におりて売店でお買い物。
バスで下に降りる ここの方がラベンダーが咲いている。

ホテル 夕食前にオーナーが有機農園を案内してくださった。あれこれ葉っぱなどをつまませていただいた。
夕食 19時30分〜 ホテルで

ソムリエ


いつもなら最後の晩餐のときに旅行会社がワインをご馳走してくださることになっているが、
「せっかくのミシュラン星付きレストランなので今日ワインをサービスしましょう」、
とのことで、赤ワインを頂いた。

小盆のおつまみ スモークサーモン、フォアグラのトーストのせ、ハーブスープ
前菜 プロヴァンス名物ブロッセチーズのテリーヌとサラダ
メイン ラムロースト、ナスのイーズ入り重ね
プレデザート チョコレートのムース
デザート 蜂蜜、ラベンダーのアイスクリーム

テリーヌとサラダ ラムロースト

チョコレートのムース 蜂蜜 ラベンダー のアイスクリーム

コーヒーと小菓子の写真は撮らなかった。
私はお魚よりお肉が好きなせいか今日の方が美味しいと思った。優雅なしめくくり。