4日目  

7月22日 ブラショフ〜ビストリツァ〜クンブルング・モルドベネスク



 本来ならば今日はビカズ渓谷経由で、クンブルング・モルドベネスクに行く予定だったが、洪水で、落石などの危険があることから、安全第一と、ビストリツァ経由で行くことになった。

8時  ホテル出発.
途中、ブラン城のようなお城を二つ見た。ルパ城サスキーズ城いずれも13〜14世に建てられ、トランシルバニアの人々が保護している城。
9時45分  シギショアラで、トイレストップ
日差しは強いが空気が乾いていて、サラッとしていて気持ちが良い。
なだらかな丘や牧草地、白や黄色の花が咲いていて、綺麗だがバスからはなかなかうまく写真が撮れない。
所々に赤い屋根の集落。のどかで、美しいヨーロッパの田舎の風景だ。
洪水が心配で、ドタキャンしようかというほど心配したが、『キャンセルしなくて本当に良かった』、と何度も思った。
途中、ビールの原料であるホップの栽培されているところがあった。

11時20分  トゥルグ・ムレシュでトイレストップ。トゥルグとはマーケット、ムレシュとは川の意味だそうだ。
ここは何日か後に泊まることになっている。きれいな町なので楽しみ。
途中で、コウノトリがたくさんいるところがある、というので、写真ストップ。
電柱の上に巣を作りやすいように針金で枠が作られていてその上に巣がある。
殆どの巣に3,4羽のコウノトリがいた。アルザス地方でも見たことがあるが、一羽だけしかいなかった。
こんなにたくさん見たのは初めて。この旅行中、この後も色々なところでコウノトリを見たが、白くてきれいな鳥だ。

途中で、市が開かれていた

その後レギンという町を通った。このあたりの木はトネリコで、これを使った木工が盛んな町で、ギターやボートなどが作られているのだという。

道の両側にはプラムの木も多くこれから、ツィカというお酒が造られるという。
胡桃の木もあり、これで家具が作られる。胡桃は幸せを運ぶ木だそうだ。胡桃の葉をゆでてその蒸気で髪を赤く染めることもできるという。

今日は移動の1日なので、イヴァンカさんに質問したいことがあったら、書いておくようにといわれて、その皆の質問に答える形でルーマニアについていろいろ教えてもらった。
   宗教 プロテスタント  5%
       カソリック    7%
       ギリシャ(ルーマニア)正教  87%
 カソリックでは十字を切る順番が 額、胸、左肩、右肩だが、ギリシャ正教では額、胸、右肩、左肩の順。
そうして、親指で投げキスするのはマリア様に対して (神様に対しては指三本といわれた、と思うが記憶があいまいである。) 
 三本の指のうち、親指は神を、人差し指はイエス・キリストを中指は聖霊をあらわす、
 その他、正教では、チャーチ・プリースト-教会の聖職者-は結婚できるが、モナストリー・プリースト-修道院の聖職者-は出来ない)、などということを教えてもらった。
 私はブカレストの教会でみた、平日なのにミサにあづかり、熱心に祈りをささげている姿に感動したので、宗教心について質問した。
 地方の50歳以上の人々は信仰心が強くほぼ毎週日曜日に教会に行くが、都会の若い人たちはクリスマスやイースターの時だけしか行かない。
 都会の中年は重要な儀式の日と時々日曜日に教会へ行く。
 共産党時代は教会に行くことは許されず、教会結婚も洗礼も許されなかった。お祈り、洗礼は家でしていたそうだ。
 

1時30分〜2時35分
 ビストリッツァのコロナ・ド・ビストリッツァ で昼食
 ブラム・ストーカーのドラキュラで、弁護士のジョナサンが泊まるホテルだ。
 ここでは支度のため、少しホールで待たされ、5分くらいして皆そろって ドアの前に来るよう言われる。
 そうして、ドアがあいて入ってみると、ドラキュラの格好をしたウエーターに迎えられ、何かにくすぐられるようにさわられる。うずくまっていたウエートレスがいたずらをしているのだ。
吸血鬼にちなんだのか、赤いツィカの入ったグラスを渡され席についた。お部屋の飾りも面白かった。

 野菜スープ 鱒料理、スイカ、プラム(プラムは酸っぱかった)
バスの中で聞いた話
大規模な耕地が続くので、聞いてみるとやはり、コルホーズやソホーズだったそうで、それが1989年以降個人所有になったそうだ。
 農家の横にマキが積んである。夏は料理用、冬は暖房用。この地には電気はきているが、ガスはない。
家の屋根に十字架がついているのが多い。教会ではなさそうなので聞いてみると、ハンガリー人の支配者がいたので、自分たちはルーマニア人だ、ということを示すためだそうだ。

3時45分〜4時15分  ホテル・ドラキュラでトイレストップ。
ここが映画で、ジョナサンがドラキュラと会ったことになっている建物。ホテル前の眺め。
向こうがボルゴ峠。(映画に出てくる)

しかし映画 のように険しい山ではなくなだらかな丘。スキー場になっているようで、リフトがある。野の花が咲き乱れてとても気持ちの良いところで、オドロオドロした感じは全くない。
ここを出発してすぐ、トランシルバニアとモルドヴァの境で、写真ストップ。  
ここでも美しいお花畑が広がっていた。    
     

道路は舗装してあるのだが、ガタガタ。これは冬マイナス25度にもなるので、ひび割れてしまうからだそうだ。補修工事をやっていた。
6時45分  クンブルング・モルドベネスクジンブル・ホテル到着。
 503号室 シンプルなホテルで、ベッドも何だか子供時代を思い出させられて、ほほえましい感じがした。
部屋から山と町が眺められて気持ちが良い。山間の避暑地、といったところ。寒い地方なので、窓は二重だった。

この街一番のホテルだとは思うが、部屋のドアの鍵はかたく、エレベーターは手動式で、自分の階についたら、エレベーター内のドアと建物側のドアの両方を開けて乗り降りする。ちゃんと止まってから、ドアを開けるようあらかじめ添乗員さんに注意されていた。しかし来ているのにドアが開かなかったりまた一人で乗っていて、ちょっとドアを開けるタイミングが早かったらしく、フロアと50センチくらいずれたところで停止してしまい、建物がわのドアが開かなくて(廊下がガラス越しに見えるので、心配にはならなかったが)エレベーターのドアをドンドンたたいたら開けにきてくれた、ということもあった。(危険防止のため、エレベーターの床と建物の廊下と高さが同じにならないとドアが開かない仕組みらしい。)
まだ、観光地としては開けていないので、ホテルなどの設備には十分でないところがある、と旅行会社のパンフレットに書かれていたことは、こういうことだったのか、と納得。
多少不便でもこの窓からの景色の気持ちのよさ。大都会では絶対に味わえない。

7時45分〜9時15分  夕食
 スープ、ビフテキ、サラダ、パンケーキ
 終わって9時半。でもまだ外は少し明るい。
 私はすぐ部屋に戻ったが、民族舞踊のフェスティバルがあったそうで、それを見にいらした方も多かったようだ。