14日目 

8月1日  ソフィア滞在 (リラの僧院へ)




  快晴
6時  起床
7時 朝食   
9時  出発
 今日はブルガリアの僧院というと誰しも思い浮かべる リラの僧院へ 向かう。 リラと言う名だからといって別にリラの花が咲いている所というわけではなさそう。
道の両側にはちいさな青い花がたくさん咲いている。このあたりの土地は肥沃で、よく作物が育つ。
プラムの木が多い。途中、美しい人造湖があった。
10時 ドブニッツアのガソリンスタンドでトイレストップ。
 そのうち山がだんだんハゲ山になってくる。

この道を行くとギリシャ

分岐点にはイヴァン・リルスキの像

煙突の上のコウノトリの巣

この道を真っ直ぐ行くとギリシャだ、ということで、納得。
右手は20キロメートルも行くとマケドニア。
ギリシャへの分岐点を過ぎたコチェリノヴォで写真ストップ。途中の畑の中にも何かエサをさがしてでもいるのか、コウノトリの姿をみかけた。 
このあたりでは9月にやってきて、3月にはアフリカに戻っていくそうだ。
またここでもトラキア人の古墳であるちいさな山をみかけた。
だんだん山の中に入っていく。
横をリラ川が流れている。鱒の養魚場もある。
11時25分  リラの僧院
 この僧院は10世紀にイヴァン・リルスキという僧が隠遁の地としてここにちいさな寺院をたてたことに始まる。現在の形になったのは14世紀で、オスマンの時代はキリスト教の信仰は制限されたが、この僧院は黙認されたそうだ。
 1833年の大火事で、フレリョの塔以外は全焼、現在あるのは、その後復旧されたもの。
 ともかくあざやかな色彩である。赤いレンガの縞模様、白と黒のアーチ、
 そうして、フレスコ画の青い色の鮮やかなこと。でも私の好みは一昨日みた、バチコボのギリシャ風教会。
 ここは華やかすぎて 落ち着かない。

聖母生誕教会  左手がフレリョの塔

 まずは、ガイドさんの案内で博物館へ。
修道院の歴史を物語る書類や、十字架、ロシア皇帝から贈られたキリストの遺骸を包む布など、いろいろあった。
ここでもっとも貴重とされているのは19世紀初頭に作られた『ラファエルの十字架』 
つげの木製で高さ50センチの十字架に虫眼鏡でなければ見えないようなこまかさで、140の聖書の場面が彫られている。
12年かけてこれを彫った僧ラファエル (イタリアの画家ではない)は目が見えなくなってしまったそうだ。

<僧院のあちこち>

僧院入り口

善悪を教えるための壁画

台所の煙出し

右手はフレリョの塔

それから、台所を見た、台所には一度に1000人もの料理が作れたという直径1.5メートルの大なべがあった。
煙出しのうろこ模様が面白い 
真中の聖母誕生教会  イコノスタシスは胡桃の木に金メッキされたもので、 こうのとりやぶどう、花綱などでイコンの周りがかざられている。
 『神の眼』もあった。
フレスコは30年前にクリーニングされたそうだ。
 双頭の鷲、正教のシンボル。
フレリョの塔、フレリョという人がつくったが、この人はこの下で殺された。
それから、修道士の部屋へ、手前が台所で奥が居室になっていて、思索にふけるのにふさわしい良い住まいだ。
私は、スペインのポブレットとフランスのフォントネーでシトー派の修道院を見たが、どちらも修道士の寝室は広い大部屋で、個室ではなかった。(現在でも修道士のいるポブレットはさすが、今は仕切られて個室になっていたが)
 しかしフィレンツェのサン・マルコ は個室(一つ一つの部屋にフラ・アンジェリコが絵を描いている)だったから、正教が個室主義とは限らないのだろうか。
修道院自体の建て方としては教会堂をまんなかにおいて、周囲を僧房がとりでのように囲むというのはこちら独特のような気がする。
 

修道士の個室

4階からみた僧院 主聖堂の周りを僧房が囲んでいる

ガイドさんの説明のあと1時までフリータイム。
宿坊の4階までのぼってみた。
この僧房は旅人を泊めるそうで、ここに一週間くらい前から、宿泊している、という日本人がいらした。
1時  バスで近くのレストラン『リフレッツ』  へ、
 緑の山々をのぞむき持ちの良いレストラン。豆のスープ、鱒、パンケーキ(蜂蜜、ナッツ)
2時10分  出発
途中のひまわり畑で写真ストップ。今日が観光最終日、一面に広がるひまわる畑もこれが見納めなので、参加者の要望を入れて添乗員さんがバスを止めてくださったのだ。
4時25分〜 5時5分  ボヤナ教会
ここの壁画はどこかで、平山郁夫氏が絶賛していたので見るのを楽しみにしていた教会。

ボヤナ教会入り口

南側(13世紀)

 創建は11世紀で、13、19世紀に増築、ここはフレスコ画を保護するため、一回に8人ずつしか入れないので、二組にわかれて入った。
主にみたのは聖ニコライにささげた聖堂。
ガイドさんはニコライという名なので、いつも自分を指差す。この国は聖コライにたいする崇拝の念が強いようだ。
聖ニコライというのは海で嵐をしずめてくれる、と言う聖人。それで、内部の北側の壁には、荒れた海で舟人が恐れおののいているのを鎮めようとしている聖ニコライが描かれている。この船乗り達の表情はとてもリアルで腕などもボリューム感がある。
向かいの南壁には 寄進者である、カロヤン夫妻がかかれている、こちらは繊細な感じで、おきさきの柔らかな表情が良かった。
5時半 ホテル着。
 途中でスーパーマーケットに行きたい人はバスをおりたが、面倒で私はそのままホテルへ。
矢張り年。もう少し以前なら、何でも見てやろう、でかならず降りるのに。
かわりに、ホテルのショップでブルガリアのお金を使い切るために銀のアクセサリーを三つとしおりを買った。
7時半  いよいよ最後の晩餐、
 羊のチーズのかかったサラダ、チキン、チーズケーキ
 コーヒー+ワイン7.5レバ
 本当に皆いい方たちで気持ちの良い旅だった。