13日目

3月28日  

ペトラ〜アカバ


朝、食事に行く前、テラスで外を眺めていると、ホテルの人が近づいてきて、自分の家はあそこだ、といって前の岩穴を、指差す。そこが従業員宿舎になっているようだ、右手には岩やの客室もあるそうだ。
もう少しここに泊まりたいが、すぐ出発。
8時  出発、

まず、そばの、アイン・ムーサに行く。
ここは、モーゼが杖で叩くと水が出たという所。
近くの人が水を汲みにきていた。
写真をとって、すぐ、バスに乗る。

標高1600mのところで写真ストップ。砂漠地帯というのに、小雨。寒い。 
9時50分、ワディ・ラムに入るとすぐローレンスの山、(ローレンスの作品、知恵の七柱 に由来) がある。
ビジターセンターから、古い、ジープ(トラック)に6人ずつ乗って、砂漠に入る。

ローレンスの山 このトラックに乗っていった

ものすごく揺れるで、しっかりつかまらないと、振り落とされそう。とてもビデオなど構えられない。
パルミラのなだらかなのとは違った荒々しい山々。男性的で迫力のある景色が素晴らしい。さきほどの雨はやんでいて、そのおかげか、トラックの後ろにさほど砂煙はたたないので、目に砂が入るという状態にはならなくてすんだがしかし女性はみな、日焼けとほこりよけに帽子の下にスカーフでほほかむり。なりふりなどかまっていられない。
ワディ とは渓谷、ラムとは、高い山の意味。何億年も前の地殻変動で割れてできた渓谷。
BC6,7Cにサムという民族(ベドウイン)が住み、その後、BC3,4Cナバテア人の隊商の道となった。
山の麓にふきよせられた、砂が、赤くて、とてもきれい。

ワディ・ラムは 映画『アラビアのローレンス』 では、「ラムへ行こう』 と誘われ、ここでベドウインの兵を集めた所。 
あの映画を見た日は、実に41年前、高校の卒業式の前日でそのうえ私にとっては大学入試の発表の日だった。

明日で皆とおわかれ。それで発表も見ずに友達何人かと日比谷まで観にいったのだ。

結果が気になりながら、家路を急いだ記憶とともに、砂漠の美しさ、そしてあの 「アカバー」 の叫び は今も耳に残るほど、鮮烈な思い出である。
41年ぶりにして、この地に立とうとは!!当時は外国に行くことなど夢でしかなかったのに。
映画を観る前の年月より、倍の年月を生きてきたのだと思うと、感無量である。
 

そういうわけで今回の旅でこのワディ・ラムは『インディー・ジョーンズ』のペトラより期待していたところである。

岩には、大昔の人の描いた落書きが、残っている所がある。
その年月からすると、私の生きてきた人生など、まさに砂粒ほど、一体私はこれまでになにをしてきたのだろうか、悠久の自然を前にして、思うことしきりであった。 

岩と岩に挟まれた通路、
隊商の人々が休憩したところである
大昔の人の落書き

落書き 雨水をためていた

11時50分  バス、
12時20分 昼食。ベドウインテントのキャプテン・デザートキャンプで、ビュッフェ。
 テーブルや、椅子にかけてある、キリムというのだろうか、織物が、色あざやかで、とても綺麗。
 ボーイは、ベドウインで、腰にガンベルトをまいていて、なかなかハンサム、一緒に写真を撮らせてもらう。

庭には、ベドウィンの道具類が置かれていた

ここは、ホテルにもなっていて、そこを、みせてもらうが、壁はなく絨毯のようなものを、かけてあって、しきりになっているので、これでは女性客にとっては不安だろう。

向こうに見えるテントが宿泊施設

13時15分 バス、
14時10分 アカバ・ガルフホテル着。 
オプショナルツアー(20ドル) で、グラスボートに乗って、アカバ湾を巡る。
真中が、素通しのガラスになっていて、海のそこが見える、さんご礁や、第二次世界大戦で沈んだ戦車が見えた。

このようにまん中がガラスになっている
黒いのは雲丹

珊瑚

海から、眺めるアカバの町は、木のはえていない岩山がすぐせまっていて、なかなかいい。
イスラエルや、エジプトも見えた。

海から眺めたアカバの町 イスラエルのエイラット

ボートをおりて、 アカバ要塞へ。  
ここは16世紀のオスマントルコの基地で、アラビアのロレンスが、シェリフ・フセイン・アリと攻めた。映画では、崩れていたが、綺麗に修復されている。

アカバ要塞(ホテルの部屋の窓から) 入り口上部の紋章

グラスボートからはお魚が見えなかったので、水族館に行った。
きれいなのや、気持ちの悪いのやら、いろいろな魚をみた、

それから、スークへ、といっても、これまでの穴倉みたいなのとはちがって、ふつうの 商店街だった。
アクセサリーのお店で、ピアス(ベドウインデザインの少しチャラチャラぶらさがっているもの)、珊瑚でできたふくろうのペンダントトップを買う。

 ゆっくりホテルに戻る。

部屋から見たアカバ湾

うれしいことに部屋からはアカバ湾がよく見える。

お風呂にはいって、ドライヤーを使っているうちに停電になってしまった。(よくあることらしい)
夕食はホテル内のレストランだったので、半乾きのまま食事に行く。