2日目

チューリッヒ〜シャフハウゼン〜ザンクト・ガレン

728(日)


6時半ごろ身支度をして朝の散歩

リマト川沿いにケー橋まで行ってチューリッヒ湖を眺め 戻ってきてグロスミュンスターの外回りをながめ川の縁のバッサー教会のところまでくると 浮浪者みたいな人が寝そべっているのであわててホテルに戻った。

715分〜45分 朝食

朝食室に行ったのが早すぎたのかあまり食べ物がない。コンチネンタルだ。 適当につまんだ。

810 ホテル出発

出るときにフロントの女性(オーナーらしい) に「これからどこへ行くの?」と聞かれたので ザンクトガレン 次はサン・モリッツというと「サン・モリッツ、ファンタスティック」と言われた。ザンクトガレンには興味がないらしい。

地図で見ると駅までは1.5キロくらいなので、見物かたがた歩いていくことにしてカートを引っ張って歩いた。
しかしちょっと誤算。ゆるいけれど坂もあって引いて歩くのは少し疲れた。おまけに道をまちがえた。駅近くとおぼしきところで日本人の大学生? 数人に出あう。頼りにすべきは我が同胞。駅への道を教えてもらった。 
9時前に駅に着き、娘に電話。もう忘れたがこの電話をかけるのにも苦労したような、、。 本当に今は携帯電話があるのがありがたい。

913分発  
9
51分 シャフハウゼン
  

一等車に乗っているのは私一人だった。

シャフハウゼンに着いて駅でコインロッカーを探したがみつからないのでそのままカートをひいて歩きはじめる。

外壁にびっしり絵が描かれている家が何軒もある。(有名なのが下写真の騎士の家)

 
 騎士の家

その前でガイドが説明したりしている。ゆっくり周りを眺めながら大聖堂へ行く。中庭にシラーで有名な鐘がおいてある、ということなので。

最初の中庭に、件の鐘がおかれていて小さい礼拝堂らしきものがあった。

   
   

その奥は広い中庭。回廊がありそこにも鐘が沢山おかれていた。 回廊は腰高で 腰かけてひと休みするには丁度いい。一人大学生くらいの女性が本を読んでいるだけ。木が何本か植わっていて風が心地よかった。

 
 
 
 
 
 

1030 
万聖教会博物館に行く。Museum zu Allerheiligen Schaffhausen

受付でカートを置かせてもらって見学。

奥のシャツカンマー(宝物室)には銀器が多かった。 
この部屋よりその手前の部屋の写本がすばらしかった。
また民芸館にもなっているようで
(178世紀?)、家具などがセットされていた。 
天井の桟に巴紋が描かれていたり、女の人の顔がついたローソク立てなど、見飽きなかった。

(現在は かなり リニューアルされているようで 上のHPを見てもサッパリわからない。
むしろ上の教会の方のHPの方がいい。 
教会の ホールとかレフェクトリーに民芸品などが 展示されていたのかもしれない) 

ここを出てムノートという円形の城塞もこの町の見もの、ということでその方向に歩きだした。ところがムノートへ行くには 階段をのぼらなければならない。 
カートをひいてはのぼれないので、仕方がなくライン川を眺めに行く。

それから聖ヨハン教会に行って見る。新しくて面白くない。しかしここは椅子があるので少し座って日記を書く。 

もう一度大聖堂の回廊へ行ってしばらく風に吹かれて雰囲気を楽しむ。(ここには見るべき彫刻などはないが 回廊という空間は心和ませるものがあって好きなのだ。中庭は緑にあふれている。よくみると小さな白い花が咲いていて野の趣。回廊の目の前に薄れた落慶のフレスコ画。回廊の天井は 木で 梁に釘が 上向きに打ってあった。

食事をしたかったが、列車の時間を考えると微妙なのでそのまま駅に行く。

   
   
   
   

1248 シャフハウゼン発 ヴィンタートゥーア1321分着(普通列車)
出発してほどなく 一瞬ラインの滝が見えた。
1335分 ヴィンタートウーア発 

ザンクトガレン 
1418分着(ジュネーブ発I.C)
またも一等車は一人だけ。お昼はスプライトとカロリーメイトを車内で。 

ザンクトガレン

この町の大聖堂図書館には中世キリスト教について少し学んだ人なら絶対に見たい、と思うものがあるのだ。町の名自体も修道僧ガルスに由来する。 

6、7世紀ごろアイルランドは学識高い修道士たちを輩出。彼らはヨーロッパ本土に伝道の旅に出てイタリアのボッビオまで行くのだがその修道僧の一人、ガルスはこの地に庵をむすんだ。熊と話したといわれている。こういうキリスト教にとっては由緒正しき地なので当然教会や修道院はある。 

14時半頃 ホテルにチェックイン。ホテルは駅のすぐ前の ヴァルハラ(ジーグフリートを思い出してこのホテルにしたわけではない)

お部屋は広くダブルベッドが一台。バスルームは広いのにバスタブはない。

荷物をおいて15時、カテドラルに向かう。

  

歩き始めた途端に急な雨。雷も鳴って豪雨と言っていいほどの降り方。 
石畳なので道路が水を吸わないからたちまち水が川のようになって流れる。 
ともかくカテドラルに急ぐ。
 
雨宿りを兼ねて飛び込んできた人たちが沢山いる。
おろしたてのハッシュパピーは下がスポンジなせいか、グチュグチュ。
足首からも雨が入りこんで 靴の中もグシャグシャで気持ちが悪い。 

それはともかくビロードのカーテンをまくって入ってみて唖然。
中がピンクという印象。
華やかできれいなのだ。
この後もスイスではこういう驚きというか違和感を持つことになるのだが、
 
ロマネスクファンにとっては 教会がロココというのは どうも、、。 

 
 Wikimedia Commons から

修道院図書館は 16時までだっと思うので 気が気でない。
Stiftsbibliothek St. Gallen


15分くらいで雨は上がって皆ぞろぞろ出ていくのでその後ろをついていく。
教会の裏手の図書館に行くことが出来た。 
ここで床を傷めないためか巨大なスリッパを靴の上から履かされる。確かフェルト製だったと思う。
濡れた靴のまま穿くのでこのスリッパも濡れてグチュグチュしてきたが仕方がない。スリッパを引きずりながら二階へ上がる。

   
   修道院の設計図

この図書館、天井がまたロココの華麗なもの。 
清貧であるはずの修道士がこんな華麗な図書室で学問なんてそぐわない気がする。
壁は四方書棚で覆われている。
お目当ては 修道院平面図。(829年以前に修道院長に送られたもの) 
実際にこの通りに造られた修道院はないとか。

教会堂は二重内陣式。(左写真の中央左)
教会のも後手にに回廊があり、回廊上(図で)に修道士の寝室、回廊の右手に食堂が配されている。
学校、診療所や外来者の宿泊施設、もある。 
現存する最古の修道院プラン図だ。

探すと少し奥の方の展示台(腰くらいの高さの木のテーブル上で ガラスのふたで覆われている)にあった。
新聞紙を広げたくらいの大きさの羊皮紙に赤い線で描かれていた。
写真では知っていたがやはり現物を目にすることが出来た嬉しさは格別。これを見るためだけにこのザンクトガレンに来たのだから。飾られている写本類は シャフハウゼンのほうが綺麗だった。ザザァーとみて出る。 出口
(入り口と同じだが) で 絵葉書などを売っている。 封筒がついているマリア様のカードなどはクリスマスにいいので 沢山買い込んだが今はもう手元にない。マリア様だけではなく蔵書にあるのだと思うが楽譜を印刷したカードなども買った。(旅メモにカードのお値段が高すぎ、合計42.3フラン、人もシャフハウゼンの方が親切だったとある。もちろん当時のこと) 
手元にのこっているものの中から。御生誕などのカードは クリスマスにいいので なるべく買うようにしている。

 
  1065年
  
  
   
 1451〜52年 聖ガルスと熊   1125年 聖ガルスに書物を手渡す僧ルイテルス
   
1135年 ザンクト・ガレンの僧ルイテラス画   750年頃のアイルランドの福音書から

少し街歩き。街並みはこちらの方が古い家が残っていて見あきない。

歩きながら夕食のお店を物色。ホテルのレストランは どういうわけか今日はクローズだったので。
細い道をお店をのぞきながら歩く。しかしどのお店も早々とテーブルにランプを灯し、カップルが向きあっておしゃべりしている。どうも入りにくくて通りを歩いていくうちにとうとうもうお店がなくなってしまった。お昼がいい加減なので夜はちゃんといただきたいのに。 
どうやら道に迷ってしまったらしい。どうしようと思っているうちにマクドナルドを見つけた。ここで道を聞こうと思って入った。普通のレストラン風のしつらえ。マクドナルドなんて 子供が小さい頃せがまれて入ったことはあるが大人の女性が入るところではない、と抵抗があった。しかしホテルのレストランがクローズだったことを思い出してハンバーガーを注文。 
古都ザンクトガレンでマックなんて情けなかった。
(ところでこのお値段5.5フラン、絵はがきが、枚数が多かったとはいえ如何に高かったか)

食べ終わって道を聞いて無事ホテルに辿りつけた(駅のそばなので駅への行き方を聞けばいいので簡単) 

18時ごろホテルに戻って、ともかく靴の手入れ。 

予備に置かれていたトイレットペーパーを結局ひと巻き全部使って水を吸わせる努力をして、シャワーを浴びてすることもないのではやばやと寝てしまった。