3日目 

そのV
 
セラボンヌ修道院〜ペルピニャン


1520分 バスでキュクサ出発
1543分 プラドでミニバスに乗り換える。風が強い。
しばらく村を走ったとと思うとすぐ山道に入る。ぐんぐん上る。いろは坂。朝のカニグーほどではないが、道幅が狭く大型バスでは無理なことに納得。少し怖い。

これから行くのはセラボンヌ修道院。この辺りは主権範囲が入り組んでいて、セラボンヌは長くスペイン領だったそうだ。ソルソナ・カテドラルの所有になっていた。1659年のピレネー条約で、ソルソナはスペイン、セラボンヌはフランスになったが、19世紀末までソルソナの所有となっていたために、この教会は教区教会とし生きのびていたそうだ。教区教会、といわれても山を登ってくる間、人家は見なかったので聞いてみると、昔は18家族の信徒がいたという。当時は畑とかあったのだろう。

 
 中央 ASPRE と書かれている左上にSERRABONA
   
   

1615分、そんな話をききながら山を登り、駐車場から、56分歩くと 

セラボンヌ 小修道院教会 Serrabonna 

 
  

以下のHPで 写真が見られます

http://www.monestirs.cat/monst/annex/fran/lleng/serrab.htm  

http://www.art-roman.net/serrabone/serrabone1.htm

読んだ何冊かの本によって 年代の相違があるが、1069年には教会があったようで、1082年に修道院が建設された、
一応写真で、こういう姿、とは知っていたが、実際に見ると、少し異様である。本当にノッペラボーなのだ。片岩という石が使われている。

まず 北入口

 
 

柱頭彫刻にはやはりバラ色大理石が使われている。祝福をあたえているキリストと香炉をふっている天使でしょうか。右はライオン、入口として相応しい彫刻と思った。

   
   

中に入ると直ぐに回廊、といっても片側しかない。ライオンが多い。

 
 これは あとで 外へでて撮ったもの
 
 
 
 
   
   セラボンヌとは 善き山、という意味だとか、

さきほどほど見たキュクサとの類似性から キュクサのものがここに、移された可能性もあるといわれている。
買ってきたパンフレットにあった。 平面図を載せておく
。 Cが上写真の回廊  B は 外側の入口(最初の写真)

 
 平面図

中に入る。このロマネスクらしい飾りのなさがいいなあ、

 
 左がDの身廊のアプシス

壁にうっすら壁画のあとがあるが 判読しがたい。

   
ライト
の緑の光の横に壁画
 緑の光が じゃまだが
 うっすら 男性の全身像

北側側廊から回り込むと、ビックリ。事前に読んだ本には一応、トリビューンがある、と書かれていて、小さな写真は見ていたが、実際に来てみると、なぜ教会の真ん中にこのような建造物が?と驚いてしまう。

 
 

柱で六区画に分けられたスペースがあり、柱頭にはちょっと怖い彫刻がある。

 
 天井がリブで しっかり支えられている

南側は壁になっていて北側の側廊からは入れるようになっている。トリビューンというのは階上席という意味である。天井はリブでしっかり支えられていて、上に乗っても大丈夫と思われるのに、あがる階段はない。本によっては聖職者席と一般信徒を分ける構築物、と書いてあるものもあるが、そのためなら一重の壁(衝立状の)でもよいのではないか。仕切り壁で区切って通路のようにアーチが設けられている、というのは時々見かけるのだが。
コワールと呼ばれる修道士席がゴシックの教会堂にはよくあって、それが身廊の中ほどで、教会によっては数段高くなっているところもあるが、このように下を人が通れるようなものは見たことがない。

ミシュランガイドには合唱席でもとは西にあったものが真ん中に移された、とあった。他にも、西側にあったとも考えられる、と書かれている本がある。アーチ彫刻が一方の壁にしかないところをみても片側は西壁に接していたという証拠にも思える。何のためか議論の分かれるところらしい。

   
 西側から見る。  北側から見る

それにしても驚きの構築物である。それもこんな山の中にこれほど完成度の高い彫刻が施されているなんて。 
おなじみバラ色大理石だが少し暗いので不気味というか妖しい感じすらする。
この教会の彫刻については色々研究されているようで、図柄についての解釈がパンフレットには書かれてい
た。

 
 ケンタウロスとライオン 中央の人は調教師(馴らされてケンタウロスもライオンも調教師の肩に前足を置いている)
(よく見えないが)彼の手はケンタウロスの耳とライオンの舌を示している。(話すことと、聞くこと)
 
 ケンタウロス(射手)と鹿(犠牲、イエス)

黙示録によるものと解釈されているものもあった。
下写真  タコの吸盤みたいなところ(蛇)が、αとωまた  ∞ をあらわしている、と説明された 判読がむずかしい。
≪わたしはアルファであり、オメガである。最初の者にして、最後の者。初めであり、終わりである。≫ヨハネの黙示録 22−13

      
 α、と説明された気がするが
パンフレットでは上下さかさまのオメガω
 Ω と説明されたが (オメガと見てもいいとは思うが)パンフレットでは Q
残念ながら写真では見えないが右のセラフィムの横にもう一人
天使ががいてその足元の蛇がとぐろを巻いている様を∞と見ている。 
右端の部分
足元の蛇が ∞ 
を表している
(パンフレットより)

中世の三身分、貴族(領主) 修道士 農民

     
 貴族  左が貴族で右が 修道士  中央、少しかくれているが 農夫
     
 ライオンのアクロバット    彫刻されていない柱頭 
 こういう石に彫ったということなのだろう

横の柱頭だけの展示には明らかにキュクサのものがあった。

   
キュクサにこれと同じ彫刻があった  

外にでる。少しくだったところにお手洗いがある。
1725分 ミニバスで下に降りる。
18時 バスにのりかえて 
1830分 ペルピニャン ホテル mercure Perpignan centre

1930分  夕食 ここで自己紹介

鮭のテリーヌ、 豚肉マスタードソース マッシュルームムース添え  ムース(美味しかった)ワイン?コーヒー 6ユーロ

   
 鮭のテリーヌ  豚肉マスタードソース マッシュルームムース添え
   
 ムース  泊まったお部屋

21時30分お部屋に戻り、2330分 寝た。