5日目

そのⅡ

サン・ベルトラン・ド・コマンジュ~ヴァルカブレール~



それから回廊へ行く。入った途端、わあーつと声をあげたくなった。向こうの緑が気持ちがいいのだ。 

 
 

回廊はそれほど大きくはない。丘の頂上、ぎりぎりのところにたっていて、向こうが深い森なのだ。
Cathédrale de Saint-Bertrand de Comminges

   
   

柱頭はなり風化している。
西側の柱がもっとも原形をとどめている。ここは12世紀のもの

 
 手前が 翼のあるドラゴンが女を襲う  、次が アダムとイヴ
 
 上を反対側から見や所 左 カインとアベル 右 男がドラゴンを退治する
   
 中央の立像が施されているものがここで一番注目すべき彫刻 4人の福音書記者 
手前は牛を抱いているように見えるので ルカ?ライオンだとしたらマルコだが 
これは鳥をだいているようなので鷲をだくヨハネと思われる 

   
アベルが羊を差出し 神がそれを受取ろうと手を伸ばしている  鶏
   
 右の馬の彫刻の通路側  

南と東はゴシック 柱頭彫刻は アカンサスや籠模様

 
 

北側は 14世紀で 石棺がおかれている。 回廊は昔墓地だった。

 
 
 
 回廊への入口の彫刻 ?  左は人間 右は怪物 真中は?

1450分、 バス 麓の野原に建つ サン・ジュスト教会へ

バスから元の教会の跡(といっていた、もしかしたらローマ遺跡の跡かもしれない)が見えた。

 
 

155分  サン・ジュスト・ド・ヴァルカブレール Basilique St-Just de Valcabrere

http://pedagogie.ac-toulouse.fr/histgeo/monog/stbertr/valca.htm

建物自体は112世紀だが、建材としてこの辺りの古代ローマ時代のものが使われている。この場所は 古代ローマ時代に墓地だったところで、現在は墓地教会で、入口入るとすぐ墓地。現役らしく新しいお花が飾られている。その奥に教会がある。小さな教会で塔の大きさが目立つ。 

    
   

入口部分拡大

 
 

ここは教会の北側にあたる。入口はこの北扉口だけである。
ここの入口の彫刻が有名。ロマネスクの彫刻というと、浅浮彫、時には高浮彫も見られるが、丸彫りに近いのはあまりない。先ほどの大聖堂の回廊やここの入口はその例外といえる。

 
 

タンパンにはマンドルラに栄光のキリスト、横には四人の福音食者 、それぞれのシンボルを抱いている。マタイ(人)、マルコ(ライオン) ヨハネ(鷲) ルカ(牛)
下の柱、ここは丸彫りに近い。ロマネスク時代には珍しいが古代ローマの影響が残っているのだろうか。
向って左から 聖ジュスト、聖エティエンヌ、右側にいって 聖エレナ、聖パストゥールとされているが定かではない。

 
左から 聖ジュスト 、聖エティエンヌ  聖エレナ 聖パストゥール 
聖エレナの衣の襞が 、さきほどのコマンジュ回廊のヨハネの襞と同じ

その上の柱頭彫刻はそれぞれの聖人にまつわる物語  断頭 石打ち刑(向かって左)   巡礼 殉教(向かって右)

   
サンジュストの上は 断頭、   石打ちの刑  左のを横から見たところ聖エティエンヌは 石打によって殉教

向かって右

 
 左は 聖エレナの上の柱頭で 巡礼 聖十字の発見のようだ       右は聖パストゥールの上で 殉教

中に入る。天井などは修復されていると思われるが、ロマネスクである。平面図は 入口が下の方が分かりやすいと思い、あえて上下さかさまに置いた。 

   
 下中央左が 入口
黄色いところが 11,2世紀ロマネスク
 入口を入ってすぐ左にまがって 身廊を見る

後陣

   
 死者の記念碑(ゴシック)  向かって左が サン・ジュスト、 右がサン・パストゥールらしい  14世紀の妹尾母子像

古代ローマ遺跡の断片が壁にはめこまれていたり、柱がおかれているので、それらを探す。

        
     

嵌め込み方がテキトー。下のはどうも意味が分からないと思ったら上下さかさまに埋められていた。

 
 兵士、武具のレリーフ
   
アカンサス唐草  

     
     これも上下さかさまだった

外へ出て後陣部分の写真を撮る。一見、普通に半円形祭室が三つあるようが、よく見ると半円形ではない。突出部だけで見ると 7面。それを凹んだアーチで飾っている。なだらかなカーブが作りにくかったのだろうか。それとも装飾効果をねらったものか?こういう造りは初めて見た。

   
 
 
   ローマ時代の巫女
  
 左側クレーンの見えるところが もと回廊のあったところ 

上写真の右はおなじもの、この二枚の外壁下の方を拡大 、このローマ時代の少女? 巫女?のレリーフを探していたはずなのに、発見できなくて 家でパソコンにとりこんで拡大しているときに見つけた。(一番下は買ってきた 小冊子からとった。

少しのフリータイム お手洗い、
お手洗いは少し離れたキャンプ場のようなところにある。そこへ行く途中で サン・ベルトラン・コマンジュの教会、それから、サン・ジュストの南側が見えた。

入口でパンフレットを買って、大聖堂とこのサン・ジュストが両方見える地点へと急ぐ。といっても私は足が遅い。それに遠くの方は少し登りになっている。よく見かける写真は大聖堂が左奥 しかし途中は畑で入れないようになっている。 強引に踏み込む気にはなれず、さりとて遠くまでかけていく気にもなれず、いい加減なところで 写真を撮って引き返した。

 
墓地教会らしく糸杉に囲まれて野に立つ教会はお天気にも恵まれたためとても美しく、何枚も何枚も写真を撮った。名残惜しい。

16時 出発 
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