6日目

そのⅡ 


~モルラース ~オロロン・サントマリー



1145分頃 モルラースMorlaas )に着きサントフォワ教会 (Eglise Sainte-Foy
モルラースはレスカールの後に首都になった町。
この教会のことを知ったのは、20年くらい前に読んだ『フランス四季暦 春から夏へ』饗庭孝男著 によってである。
ポーに滞在してこの教会をみて、ロマネスクに興味を持ったことが記されていた。饗庭氏といえば日本にロマネスク教会の魅力を教えた草分け的存在である。氏が最初に興味を持った教会、というのでこのモルラースのサント・フォワ教会はずっとみたいと思っていた。

サント・フォワ教会は1080年創建レスカール大聖堂とともにこの教会もまたサンチャゴ巡礼路教会である。アルルの道の途上にあり ソンポール峠を越えてスペインに入ることを示す地図は そのⅠに載せた。

   
   サント・フォワ教会後陣

側面 牛の眼のような窓が ダビデの星

   
  ダビデの星

ここではまず入口の彫刻を鑑賞。

 
 

植物文様をはさみながら
外側から 35人の選ばれた民(病人?) 黙示録の24長老 鴨
ところでこの選ばれた民(アクサンテギューのつけ方がわからないので パンフレットをコピー)というのは ユダヤ人のことだと思うのだが、病人としか説明されなくて、帰ってパンフレットを見て知った。ユダヤ人につけられたダビデの星は、ダビデが旧約聖書にでてくるので、キリスト教会でも見かけるが、選ばれた民がなぜ入口にあるのかがよく分からない。

 
 上 選ばれた民(病人?) 黙示録の長老(楽器と香炉を持つ)
 
左橋、グリーンマンがいる、 鴨、 黙示録の長老たち、 選ばれた民(病人?)
 
 弧帯の中央あたり(回転させたので白い部分ができてしまった)黙示録の長老たちが神の仔羊を仰いでいる

鴨 というのが珍しい。このあたりフォアグラが名産なのだ。鴨というのは 夏と冬、住むところを変えるがちゃんと戻ってくることから信じることの象徴とされるのだそうだ。(私には美味しいフォアグラをいただいているのだからお礼に祀ってある、と思いたくなる)

タンパン このように、 中に小半円があるのは珍しい。上には 栄光のキリスト 福音記者のマタイとヨハネ(鷲) その下の二つの半円には、向かって 左が嬰児虐殺、右がエジプト逃避

 
 

サラセン人が中柱を支えている。イスラム教徒には厳しいものがある。

   
、小ヤコブ、シモンアンドレ、ジャン、ペテロ(横向きで分かりにくいが鍵を抱えている) 鎖につながれた サラセン人

 
 パウロ、大ヤコブ、トマス、フィリペ、ユダ、マタイ

柱頭彫刻

   
向かって左側 
   
 中柱を挟んで向きあっているのが、ペテロとパウロ  右側
   
   

中は ゴシック

   
   

 内陣は13世紀

 
 内陣の柱頭、彩色されている
 
 内陣

床モザイクがあった。

   
 鴨さんダンス  
   
   

1215分頃 教会を出る
1230分~1415分 昼食    L,Amandier http://www.amandier-restaurant.fr/restaurant-receptions-morlaas  
前菜 フォアグラ(おかわりOK) 仔牛の煮込み クレーム・ブリュレ ついていたジェラートが美味しい。 

   
   
   
 フォワグラ  仔牛の煮込み
   
 クレーム・ブリュレ  

ゆったりしたレストランで美味しいお食事、 みんな大ニコニコ。

食後 ポーに戻り (少しだけ ポーのお城などが見えた) だんだん 山の中に入っていく感じだ。

 
 かいま見えたポーの町

1535分ごろ オロロン・サント・マリーに着く (Oloron-Sainte-Marie

   
 アスプ川  

   
 窓下のオタマジャクシみたいなのが バスク十字  教会へ行く途中で見かけた家、二階がはりだしている

ローマ時代のイルロが起源。848年のノルマン人の侵入で破壊された。

1080年にベアルン子爵サントゥル5世がオロロンを建設、これに対して13世紀にサント=マリーが司教座都市となり、それぞれ別の都市として発展した。1858年5月18日にナポレオン三世によってこれら2つの町が合併され、今日のオロロン=サント=マリーとなった。オソー川とアスプ川はここで合流してオロロン川となる。

オロロン側には11世紀末に建立されたロマネスク教会がある。ここは予定表にはなかったのだが、行きたいという声が多かったので行ってくださった。
サント・クロワ教会 Église Sainte-Croix
聖十字の名を持つが、キリストの架けられた十字架、という意味ではなく、十字軍の意味の十字だそうだ。
11世紀末に建てられたロマネスク。

   
 サント・クロワ教会後陣 北側入口

この教会で一番みるべきものは、交差部の天井の星形のリヴ付きドーム。

   
 外部柱頭は 磨滅していて判別し難い  西側(この手前がテラスになっていて 眺望がひらけている
   
   これは Photoshopで画像処理した、実際は真っ暗

非常に暗いので 柱頭彫刻もよく見えない。

     
 手前は 聖母子、 左は三博士かもしれない    首をもっているのでヨハネ斬首と思う 
    
  ロマネスクらしいすっきりした空間 平面図 

165分 教会を出て少しピレネー方面をみてバスで サント・マリーへ向かう。

   
遥かピレネーを望む  途中でみかけた水栓 

 
 バスから見た サントマリーの町


続きは そのⅢに