3日目

8月9日

スランディドゥノ滞在

カーナヴォン城、スノードン山、世界一長い名前の駅


早起きして、朝食前に海辺を散歩する。
雨が少し降ったりやんだりで、薄ら寒い。
とても八月上旬とは思えない気温である。

浜辺は東向きで丁度日が昇ったところだが、雲の向こうでうっすら明るい程度。
この寒いのに水に入っていくユダヤ人を見た。(正統派ユダヤ教徒の黒ずくめの服装と帽子)何か宗教上の意味があるのだろうか。
海岸をとりまくプロムナード沿いには、ビクトリア朝の瀟洒なホテルが建ち並んでいる。

雲間からさす光が美しい、 これを レンブラント光線という 

 朝食はフル・ブレックファースト。 折角なので、一応注文した。

9時出発 
不思議の国のアリス、のモデルアリス・リデルのサマーハウスを車窓から見る。丘の中腹にある。
スランディドゥノは砂州の上にできたリゾート地だ。
海岸沿いを走り、カーナヴォン城へ行く。
ウエールズ本土とアングルジー島を隔てるメナイ海峡に臨む城である。
カーナヴォンも、ローマ時代からの町で当時はセゴンティウムといった。
10時〜11時  城の観光。
カーナヴォン城もエドワード一世が1283年からつくりはじめたもの。

エドワードは1277年から、大軍を率いてウエールズ攻めを始め、10の城を築き、城の鎖で、ウエールズを囲もうとしたのだが、この城はそのうちで最も大きなもの。なるほど無骨で頑丈そうな城である。
エドワードは十字軍に参加したので船による輸送や水軍に関心を持ち、これらの城も、援軍や物資を運ぶのに、船を利用することができるようにしてある。

塔の上から見たメナイ海峡 右の拡大写真は別の景色

また、ウエールズ人の心証をよくするために、皇太子(エドワード二世)に、プリンス・オブ・ウエールズという称号を与えた。これは現在まで続いていて、チャールズ皇太子もプリンス・オブ・ウエールズとして戴冠した様子をテレビで見た記憶がある。
チャールズ皇太子の戴冠の場所はウエールズ特産のスレートで作られた円形の舞台で、それがそのまま残っていた。(1800年代まではカーナフォン付近ではスレートが採れたが、1900年には使われなくなった)

ビデオからのカットでぼけているが、中央の円盤が戴冠式の舞台(拡大すると別の写真)

中央に少し円盤が見える 左とは反対側、上写真の手前

お城の内部を歩きながら説明をうけたあと15分の自由時間に塔に登った。(もっと時間がほしかった)
バスでスランベリス
11時30分〜12時30分  クオリティホテルで昼食
   ミックスサラダ、チキンキャセロール、アイスクリーム


この町はスノードン山の麓にあり、登山電車の出発地である。
蒸気機関車なので発車まで待っているあいだ、とても煙かったが、しかしこの煙たさもにおいも昔懐かしくはあった。


13時〜14時 登山電車  全長7.4キロ アプト式の山岳鉄道。単線なので、真ん中あたりでくだりを待つために一時停止。
日が射したかと思うと雲がかかったり、刻々と表情を変える山の景色を眺めながら登っていくのは楽しかった。

登り初めてすぐに滝 だんだん岩山になってくる

車内では英語の説明がながされるのだがナマリのある英語でよくききとれない。どうやらアーサー王終焉の地であるらしく、途中に見える池は名剣エクスカリバーを投げ込んだ、と言っていたようだった。

くだりを待つ エクスカリバーを投げ込んだ?池

14時〜4時30分  頂上でフリータイム 身を切るような冷たい風。とても強くて吹きとばされそうになりながら、這うようにして、頂上へあがっていく。手袋を持ってくるべきだった。あいにく曇り。でも時々風の加減で下の湖がみえて感激。こんな山の上にもカモメがいたが、ワシのように巨大でこわかった。

拡大すると歩いて下山する人達が見える 頂上へ向かう

乗ってきた電車で下りることになっているので、乗り遅れると歩いておりなければならない。頂上から戻るとすぐに、レストハウスのところにいき、山頂駅のスタンプを押してもらえるよう、あらかじめ書いておいた絵葉書を投函する。一通は記念に我が家へ出したが、それには スノードン・サミット 1085メートル・アバブ・シーレベル のスタンプが押されていた。1085メートルでスタンプなんて、日本人は笑ってしまうが、ウエールズの最高峰なのだ。

頂上 蒸気機関車

また一時間電車に乗って山をくだる。夏休みなので、イギリス人の家族連れもたくさん乗っている。子供たちが可愛い。下山してから、バスでアングルジー島に向かう。

世界一長い(二番目という説もある)名前の町スランヴァイルプールグウィンゲルゴウゲール、、、意味は『渦巻きのある急流の傍らの、白い樫の木の空洞にある、セント・メリー教会と、赤い洞窟にあるセント・ティシロ教会』 
この長い名前のためだけで、ここは観光名所になっている。
お土産物屋さんらしい、民族衣装の人が立っているので、一緒に記念撮影をして、ショッピング。
ウエールズのおみやげ、といえば、木彫りのラブスプーン。冬、仕事の無いときに彫ったのが始まりだそうで、ハート、ベル、馬蹄、などを組みあわせて彫ってあり、それぞれ、意味がある。模様の数が多くて彫りの綺麗なものほどお値段は高い。13年前にチェスター付近で買ったのがあるので、迷ったが買ってしまった。(30ポンドで、ちょっと高かった)

メナイ・ブリッジ(バスからなのでよく撮れていないが) 海沿いの道は気持ちがよかった

5時30分 ホテルに戻る。
19時  夕食は、ホテルではなく、10分くらい歩いて、パブ・レストランへ
スープが美味しかった ローストポーク、アップルソース  クリームシェリーのトライフル
帰りは海側を歩いて、アリスが別荘を持つ前に借りていた家、というのを見にいった。 

お天気は良くないが潮の香りに心がやすらいだ

アリス一家が最初に借りた家、現在はホテル

20時20分ごろホテルに戻ったが、まだ明るかった。
しかしまだ時差ボケがとれないのと、ワインのせいで、すぐベッドにひっくりかえってしまった。
21時30分ごろ起きだして、充電、入浴。
11時ごろ本格的にやすむ。
 

 
前のページへ戻る 旅路はるかトップへ次のページへ