バスに少し乗って
15時から16時10分 ミナックシアター
各自、自由に散策して過ごした。ここはロエナ・ケイドという女性が1923年から,一人で崖を切り出し、石を手押し車で運んで作った海辺の崖にある劇場である。ミナックとは、この崖のことでコーンウォール語で「石がたくさん」という意味だそうだ。
少し前、NHKの『わが心の旅』という番組がありもう終わってしまったが、時折再放送される。その番組で「岬の劇場」 というタイトルで仲代達也夫妻がここを訪れた様子が放映されたことがあった。それを観た時から行ってみたいと思っていたが、一体イギリスのどのあたりにあるのか地図にはのっていないので分からなかった。
劇場もすてきだが海の色が実に素晴らしい。来られてとてもうれしかった。旅行会社もよくぞこの地を訪問先に選んでくださったものだ。
劇場のあるところは岩場で崖になっているが、すぐお隣は砂浜のある海水浴場になっている。そこの水の色が本当に綺麗。イギリスの海、というと北国なので暗い海を思い浮かべるが、ここは地中海のような美しく明るいブルーだ。
|
|
|
|
|
|
舞台の奥の壁に相当するところ、装飾がケルト風 |
拡大写真は少し違います |
|
|
左手、花の向こうが舞台 |
お隣のビーチ |
芝居の稽古なのjか、古代風の衣装をつけた人が数人舞台にいた。
この地方にはないようなお花がたくさん植えられていた。イギリスなので、 とても寒いと思うがメキシコ暖流の影響で案外温かい地方の植物も育つのだろう。
バスを止めてある所から、劇場までは10分位歩くのだが、地の果て、といった雰囲気に心うたれた。
こんどは半島を横切ってセント・アイブスへ。
17時〜18時10分 セント・アイブズ
ミナックシアターから、セントアイブズに行く途中で、チラリとコーニッシュクロスが見えた。バスを止めてじっくり見たかった。
セント・アイブスは19世紀末に鉄道が開通してから、多くの芸術家が住むようになったことで有名な町。
バーナード・リーチや作家のバージニア・ウルフなども住んでいた。
私はこのさい読み返そうとウルフの『灯台へ』を持ってきている。旅行前には、児童文学だが、ジル・ペイトン・ウオルシュの『夏の終りに』『海鳴りの丘』を読み返した。 昔 子供が中学生くらいのころ買い与えた本である。これはちょっと、『灯台へ』に似たところがある.『灯台へ』 は舞台をスコットランドのスカイ島に置き換えている。が、『夏の終りに』 はまさにこの地が舞台で、何々通りなどという地名も出てくるし、灯台もただ灯台でなくゴドレビー灯台と名前が出てくる。
バスの中で現地ガイドのアリソンさんに配られた、コーンウオールの観光地図にはちゃんと、このゴドレビー灯台の場所もしるされていた。
バスを止めたところの沖合いに白いゴドレビー灯台が見えて、感動。
|
ゴドレビー灯台 |
|
ギルドホールに機関車トーマス |
この町は海から急にせりあがった丘の町で道が狭くて我々の大型バスは入れない。
地元のミニバスで町の中心に行く。
ミニバスの停留所のそばにはギルドホールがあり、そこでは機関車トーマスがお出迎え。
ここで自由時間。
私はウオルシュのもと別荘(現在はディーンコートホテル)に行ってみたかった。
アリソンさんは知らなかったが、私はネットで調べて地図をかいて持っていたので、見せると、この場所なら分かるが短いフリータイムではとても行けないと言った。
それでヴァージニア・ウルフの別荘『タラント・ハウス』(現在はBアンドB)を見にいくSさんご夫妻とIさん、それに添乗員さんについていくことにした。途中まで、アリソンさんが道案内。
行ったのはほぼ私と同年代(少しお若いようにみえたが)の四人。
他の方々がいらっしゃらなかったところから察するに どうやら、この年代の人間の学生時代の流行だったようだ。
最近でも『めぐりあう時間たち』という映画があったし、少し前にも『ダロウエイ夫人』がバネッサ・レッドグレーブ主演で映画化されたのだけれど。
|
|
|
タラントハウス |
この町はともかく坂と階段の町、少々きつかったが、『夏の終りに』にでてくる鉄道駅もあったし、丘のはるか右手の崖の上には、もしやあれがデーィーンコートでは?と思われる建物も見えたので、よし、とする。
山の上から見る海水浴場も小説を思い出させてくれてうれしかった。「灯台に行きたい」という思いも分かる気がした。
海岸の美しさ、砂浜に近いところは水色、沖合いは、少し深いのだろうか、群青色。芸術家たちに愛された町だということも納得がいく。うっとりするような素晴らしい景色。
|
丘の上から見たセントアイブズの町 |
|
|
位置からするとディーンコートハウスはあの丘の上あたり |
タラント荘から少し降りたテラスでもう一度灯台と砂浜のディーンコートらしい館を見る。
下の写真はセントアイブス湾のゴドレビー灯台とは反対側、。
ペンザンスのクイーンズホテルは高級ホテルで申し分ないのだが、出来ればこのセントアイブズにも泊りたかった。いつかこの地を再訪したいものだ。結局、このタラント荘を見ただけであとは走るようにして集合場所に戻るくらいの時間しかなかったのだから。
18時10分 バスでまたコーンウオール半島を横切ってペンザンスに戻る。
|
|
水を汲み上げていた塔
(錫鉱山で、蒸気期関を使うのに水が必要だった) |
ペンザンスに近づくと
セントマイケルマウントがまた見えてきた |
18時40分 ホテル帰着
19時 夕食 今日はWさんのお誕生日だった。
|
|
キドニーパイ |
トマトのリゾット |
今日はコーンウォール半島の海辺を巡る一日だった。お天気が良かったせいか、ことのほか海の色が美しくて、海好きな私にとって幸せな一日であった。
|