アイルランドへの旅

西のはての島へ

2002年 8月

 

 

 

 

10年以上前にジョン・ヒューストン監督の『ザ・デッド』 という映画を観た。
ジェイムズ・ジョイスの『ダブリンの市民』の中の一つの話をもとにしている。

ダブリンに住む老姉妹が催す毎年恒例の親睦舞踏会の夜の話。
コンロイ氏は舞踏会が終わって帰るとき『オクリムの乙女』という歌を涙を浮かべて聴いていた妻にその理由を問いただす。妻は少女時代、ゴールウエーに住んでいたころ仲良しだった17歳で死んだ少年の話をして泣きながら寝てしまうのだが、夫は窓の外の雪を眺め誰にでも訪れるであろう死について思い描く、という場面があった。
ヒューストン監督の最後の作品で車椅子で撮ったそうで死への思いは特別なものであったのだろう。
アレンの沼地、シャノンの渦巻く川、少年の墓地にも降っているであろう雪を思い浮かべるのだがその画面が非常に印象的であった。ダークブルーの空、うっすら青味を帯びた雪、黒い木とケルト十字の墓標。そこに雪が絶え間なく降っている。

この場面を見て以来、いつかアイルランドへ、の思いがめばえた。アイルランドを舞台にした 映画としてはもっと有名な『ライアンの娘』もビデオで何回も観たし、そのほかアイルランド関係の映画はせっせと観、本も読んだ。
アイルランドは景色が美しいだけでなく、中世初期、西ローマ帝国が滅んで西欧社会が混沌とした状況にあったとき、修道院を中心に文化が栄え、素晴らしい金工品や、写本、教会、十字架などが作られたことを知っていよいよ行きたい気持ちが膨らんできた。

ヒースの野も是非見たいと思い、家をあけられる日とヒースの開花をにらみあわせて、8月中旬の出発とした。
この旅行の時はホームページ作成を考えていなかったので、写真よりビデオ中心で、ビデオからのカットが多く良い写真がないのですが、写真の上に<手マーク>の出るものはクリックすると拡大できます。


旅のルート(旅行会社のパンフレットより)

         

アイルランド旅行メニュー

 はじめに 
 1日目 成田〜ロンドン〜ダブリン
 2日目 ダブリン〜タラ〜ニューグレンジ〜ベルファースト
 3日目 ベルファースト〜ジャイアンツ・コーズウエー〜ロンドン・デリー
 4日目 ロンドン・デリー〜ドニゴール〜スライゴー
 5日目 スライゴー〜コネマラ国立公園〜コング〜ゴールウエー
 6日目 ゴールウエー滞在<アラン島へ>
 7日目 ゴールウエー〜バレン高原〜モハーの断崖〜アデア〜キラニー
 8日目 キラニー滞在  <マクロス邸、リング・オブ・ケリー>
 9日目 キラニー〜ブラーニー城〜ロック・オブ・カシェル〜ウオーターフォード
 10日目 ウオーターフォード〜グレンダロッホ〜ダブリン
 11日目 ダブリン滞在  アスローンへ
 12、13日目 ダブリン〜ロンドン〜成田
 おわりに

ユーラシア旅行社主催のツアー利用
2008年3月26日更新