今回の旅はバルト三カ国、エストニア・ラトヴィア・リトアニアである。
十数年前にみた映画『パン・タデウシュ物語』それと同じころに読んだ『北の十字軍』山内進著、の舞台がずっと気になっていて、いつか機会があればこれらの三カ国に行ってみたいものだと考えていた。
『パン・タデウシュ物語』はポーランドの作家ということになっているが、リトアニア支配下のベラルーシ生まれであるアダム・ミツケヴィッチの作品をアンジェイ・ワイダ監督が映画化したもので、舞台はリトアニアである。その風景、館など(もちろんセットだと思うが)がすてきで似たような所をいつか見たいと思っていた。
『北の十字軍』はプロイセンももちろん含まれているが、司教、十字軍、騎士団による北東ヨーロッパ支配の話である。ここではラトヴィア、エストニアに対する支配の名残りであるお城やドイツ人による町作りをみてみたい。
そのほか、最近出た本としてはタリンの〈死の舞踏〉について書かれた『「死の舞踏」への旅』や『エストニア紀行』がある。それに去年ある機会にアルヴォ・ペルトというエストニアの作曲家を知った。
バルト三カ国への旅の機は熟したのである。アルヴォ・ペルトのCDを聴きながら旅へのおもいを深めていった。
ガイドブックを求めて読んでみると、これらの町は手作り雑貨の宝庫らしい。買い物も楽しみだ。
古くからある町は歴史抜きには語れません。それが次々と異民族の支配を受けたとなると、その歴史は煩雑にならざるを得ません。歴史の書き方に悩みました。関連ある場所で記すのが一番と考えましたが、煩わしく思われる方もいらっしゃるでしょう。それで歴史や国の情勢に関するところは色を変えました。また本によってある事柄の年代のずれや見方が違うものもあります。そのあたりは私が適切と思われるように処理したところが多々あります。詳しくは最後にあげた 参考にした本 をお読みいただければと思います。 |